しかし一方でマラソン中の心事故が増えているのも事実である。
今回米国でのレポートを紹介したい。米国のマラソン参加者は年々増えて、2010年は200万人もいる。2000年から2010年に米国でマラソンに参加した1090万人を対象に、競技中の心停止に関する調査研究が行われた。
(結果)1090万人中、59例の心停止(平均年齢は42才、男性が51例と圧倒的に多い)があった。ほとんどが心血管疾患によるものであった。中でも肥大型心筋症と冠疾患(動脈硬化性)が多かった。全行程の最終1/4で心停止が多いのも分かった。
今回のデータに基づいて考えると、参加前の検診として若年者は心肥大がないことを確認することがとても大事である。そして全行程の最終1/4にAEDなど蘇生にかかる器具を重点配備することが必要である。(一部、東大健康医科学創造講座の森田Dr.の意見も取り入れました)。
マラソンの悲しい事故をなくしたいものです。