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2012/8/17

おから


近年、「おから」に注目が集まっている。おからは豆腐を作った残りカスです。
角川マガジンズから「中性脂肪を減らす、おからのおかず」(順天堂大加齢制御学教授 白澤卓二著)が出た。最も注目すべき成分は食物繊維です。おから100gに含まれる食物繊維は11.5gで、1日の摂取目標19gの半分以上摂ることができます。食物繊維の利点は、便のかさが増え腸の蠕動運動が促されスムーズな便通が可となります。そして食事の最初に取れば脂肪の吸収を抑え糖質の吸収を緩やかにしてくれるので糖尿病予備軍の方や高脂血症の方にはうってつけです。
次におからに含まれる糖分はオリゴ糖で腸内の善玉菌を増やします。食物繊維が悪玉菌を吸着して排出してくれるのでダブル効果で腸内環境を整えてくれます。
さらに含まれている大豆サポニンは血中のコレステロールを減らしたり肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあります。
モデルの家村マリエさんは、おからでモデル体型になり今年の4月に大阪、心斎橋におからレストラン「ハウスビレッジ」をオープン。豆腐の業界団体から「全国おから大使」に任命されました。
「乾燥おから」は通販で100g 200円ぐらいで販売されています。サラダなどにふりかけて食事の最初に食べると腹の中で膨らみ食べすぎ予防になります。
ぜひ「おから」を試して下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:40 pm  

2012/8/13

海水浴と目


去年も書きましたが夏休み真っ盛り。海に山に出かける人が多いですが、日本人は目を紫外線から守る工夫をあまりしません。先日46才の男性が2泊3日で海水浴へ行って2日目ぐらいから目が全体に充血。しかも、かすみが出てきました。その深夜、目が激しく痛み涙も出て眼科へ。診断は「紫外線性角膜炎」。
これは海やスキー場、山など紫外線が強い場所に長時間いて、角膜が大量の紫外線に暴露され発症します。溶接工なども同じ原理で目をやられます。充血、まぶしさ、涙目、かすみ目などが主な症状です。
必ずサングラスでの対応が必要です。サングラスは外国人がするものと考えていたら、ひどい目に遭いますよ。

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(追伸)
高松出張に行ってきました。
北条は奥道後GCの浴場からの眺望にも負けず劣らず、すばらしい瀬戸内海の眺めでした。そして屋島は何と言ってもシンボルですね。源平の古戦場で知られる屋島は海上に突き出たテーブル状の溶岩台地で、地形学上ではメサと呼ばれる珍しい形だそうです。
四国の玄関として栄えた高松市。栗林公園、五色台など多くの観光地があり、またうどん王国を誇っています。

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— posted by 越智邦明 at 05:47 pm  

2012/8/9

お酒が強いか(その2)


7月22日の日経新聞の中に、永田編集委員が「酒に弱い遺伝子のアジア人」というタイトルで興味ある記事を書いているので紹介したい。
飲酒後、顔が真っ赤になる現象は「オリエンタル・フラッシング」と呼ばれる。アルコールで血管が拡張して顔だけが赤みを帯びる例は欧米人にも見られるが、吐き気や頭痛など不快な症状を伴うのはアジア人に限られる。これは前回も書いたアセトアルデヒドが犯人だが、このアセトアルデヒドを分解する酵素にきちんと働く「N型」とうまく働かない「D型」がある。どちらかの親からD型を受け継ぐと、オリエンタル・フラッシングを起こすのである。原田勝二・元筑波大教授は「両親からN型を受け継いだ人と、どちらか一方からD型を継いだ人との間では酵素の働きに16倍もの差が生じる」と解説している。原田さんが世界各地で調べた所、D型はハンガリーで2%あったほかは欧州、中東、アフリカでは0であった。一方日本でD型は44%と最も高く、中国で41%、タイで10%とアジアに集中した。アフリカで誕生した現人の祖先はすべてN型だった。大陸を移動し人種が分かれる過程で突然変異のD型が誕生したようである。
最後に国内でみるとN型は東北や九州南部に高い。つまり酒豪が多い。高知県もかな?縄文時代に日本に渡来した人はほぼN型で、弥生時代に渡来した人の中にD型が含まれていたそうです。
ちなみに私はD型ですので、あまり飲ませないで下さい。家内はN型です。
下の原田先生の表も面白いです。各県さまざまですね。

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— posted by 越智邦明 at 05:11 pm  

2012/8/6

バナナの日


あす8月7日はバナナの日です。
バナナについて私の関心事を話します。
私は朝の仕事の一服にコーヒーとバナナをいただくのが日課です。バナナの効用については以前にも何度も書きましたが、今回はバナナの黒ずみについてです。フィリピンやエクアドルなどの熱帯・亜熱帯地域で生育したバナナは冷蔵庫などで12度以下の低温で長時間保存すると、低温障害を起こして皮が黒ずんでしまいます。これを“風邪をひく”と呼んでいます。もちろん風邪をひいたバナナであっても中身が変わっていなければ問題ありませんが、この暑い夏、冷えたバナナを食べたいときは2~3時間前に冷蔵庫へ入れることがお勧めです。逆に25度以上になると傷みやすくなります。夏場は熟したバナナをビニール袋に入れて冷蔵庫で保存する方法もあります。さてバナナは皮の表面に黒い斑点がポツポツと現れてきたころが食べごろで、成熟して糖度が増し甘くなっていることがわかるので、シュガースポット(甘い目印)と呼びます。このシュガースポットが出ているバナナほど免疫力を高める効果が高いことも分かっています。

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— posted by 越智邦明 at 05:39 pm  

2012/8/2

暑気払い


今年も暑気払いが7/28(土)に行われた。
毎年、この院内行事の写真を楽しみにしてくれる読者が居てくれるのが嬉しい。
暑気払いは江戸時代から続いている日本の行事で、夏に薬や酒を飲んで体に溜まった熱気を取り除こうとすることです。
全員が浴衣で参加する行事は今では珍しいと思いますが、日本古来の「浴衣」文化を守るために一役買えたら、と願っています。
恒例の浴衣ショーは、事務の古都(ふるつ)さんが1位を獲得しました。
浴衣美人(?)をとくとご覧下さい。

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— posted by 越智邦明 at 01:25 pm  

2012/7/30

お酒が強いか弱いか?(その1)


患者さんの問診で喫煙歴と飲酒歴を必ず聞く。タバコは何本、何年間と聞くが、お酒が今回のテーマである。慶応大循環器科の佐野元昭Dr.の論文から引用させていただく。
佐野先生は循環器科医として、「お酒が強いか弱いか?」を聞く方が重要と説く。
その心を説明します。皆さんの周りにはお酒が強い人、弱い人、全くダメな人が居ると思います。御存知の「アルコール分解酵素があるかないかの違い」という当りは御存知の通りです。
専門的に言うと、アセトアルデヒドの代謝能力の違いということになります。アセトアルデヒドの代謝はALDH2というアセトアルデヒド脱水酵素が担っている。ALDH2をコードしている遺伝子には遺伝子多型が存在していて(専門的ですが)、活性型のALDH2*1に対してALDH2*2は不活性型である。ALDH2*2/ALDH2*2のホモのヒトはALDH2の酵素活性がなく、全くお酒が飲めない。この遺伝子変異はアジア人に特徴的で、日本人では4割のヒトがヘテロで、1割のヒトがホモで持っている。つまり日本人の10人に1人は、お酒が全く飲めないということです。じゃあ、お酒なんか俺は飲めなくていい、と言うかもしれませんが更に話は進みます。
アセトアルデヒドはお酒に関係なく体の中で自然に生じており動脈硬化、アルツハイマー病など老化や酸化ストレスによる疾病発症の一因となっている。ALDH2はアルデヒドの除去に重要な役割を果たしており、今言った遺伝子変異を持っているヒトはお酒に弱いだけでなく酸化ストレスによる障害を受けやすい体質と言える。
さて「酒は百薬の長」という言葉があるが、佐野先生曰く、「これはお酒が体にいいということではなくて、お酒を飲めるヒトが健康であるということであるかもしれない。」と大胆な仮説を述べられている。
更に狭心症の患者には「お酒が飲めるか否か?」を問診しておくことが重要であると言う。それは狭心症の特効薬のニトログリセリンから体内で一酸化窒素NOを作るのが実はALDH2であることが最近わかったのである。つまりお酒が飲めないヒトは狭心症の発作時にニトログリセリンを使用しても効果不十分の可能性があるそうです。
今回は目からウロコのお話でした。
このテーマの続編を8月9日に出します。

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(追伸)
最近のゆうちゃん。
表情が豊かになり、時々、大人のしぐさを見せます。
お友達と遊ぶ楽しさを覚え、最後の写真はバレエの見学に行ってレオタードを着せてもらったようです。「バレリーナ」ゆうちゃん?

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— posted by 越智邦明 at 04:01 pm  

2012/7/26

マラソン中の心停止


「市民マラソン」が世界中でブームである。
しかし一方でマラソン中の心事故が増えているのも事実である。
今回米国でのレポートを紹介したい。米国のマラソン参加者は年々増えて、2010年は200万人もいる。2000年から2010年に米国でマラソンに参加した1090万人を対象に、競技中の心停止に関する調査研究が行われた。
(結果)1090万人中、59例の心停止(平均年齢は42才、男性が51例と圧倒的に多い)があった。ほとんどが心血管疾患によるものであった。中でも肥大型心筋症と冠疾患(動脈硬化性)が多かった。全行程の最終1/4で心停止が多いのも分かった。
今回のデータに基づいて考えると、参加前の検診として若年者は心肥大がないことを確認することがとても大事である。そして全行程の最終1/4にAEDなど蘇生にかかる器具を重点配備することが必要である。(一部、東大健康医科学創造講座の森田Dr.の意見も取り入れました)。
マラソンの悲しい事故をなくしたいものです。

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— posted by 越智邦明 at 03:45 pm  

2012/7/23

大腸がん


大腸がん検診に国や市町村が力を入れ始めた。特に便を2回採取して調べる便潜血検査。2回共、陽性の場合はかなり大腸がんを疑う。
6月に当院で陽性であった男性Yさん(55才)。大腸ファイバーで観た所、直腸癌であり、直ちに公立病院に紹介しopeを受けた。幸い、人工肛門にならず順調に退院してきた。opeの執刀医からは「来年なら進行癌で人工肛門になっていたかも知れない」と言われたそうで、随分感謝された。
大腸がんはステージ1なら、5年生存率は90%以上。ステージ3でも65~80%で治療成績がとても良い。ところがステージ4になると20%に下がる。それだけにいかにステージ3までに見つけるかが勝負です。便潜血検査を1年に1回受けていると、大腸がんの死亡リスクが60~80%下がることが研究で証明されている。大腸がんで明らかな症状が表れるのはステージ4です。病状を当てにしていてはせっかく助かる命も助かりません。
皆さん、是非、簡単な便潜血検査を受けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:52 pm  

2012/7/19

糖尿病と食事


糖尿病は血糖値が上がる病気なので、ちょこちょこ食べる方がドカ食い防止になってよい、という信念の人が居ます。
結論的には間違いです。
なぜかと言うと、食後の血糖値の上昇が持続し血糖値が高止まりしやすくなります。つまり下がる暇がない。そうすると動脈硬化→心筋梗塞、脳梗塞といった図式になりやすいのです。
それと、ちょこちょこ食べると歯周病になります。食事でいったん口の中は酸性になりますが、しばらくすると中性に戻ります。しかしいつも食べていると酸性に傾いたままになり、虫歯になったり歯垢がたまったりして歯周病になります。歯周病になると、口の炎症があるところから炎症性物質が放出され、それがインスリンの効き目を悪くするため病状が悪化しやすいのです。
結論として、やはり食事は3食にすべきです。そこで妙案は毎食後の歯磨きです。すると間食が明らかに減ったというデータがあります。
参考にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:54 pm  

2012/7/17

乱視


「乱視」ってみなさん眼鏡屋さんでも聞いたことがあると思います。しかし乱視を放置したために、めまい、頭痛、吐き気がまるで脳卒中のように生じるという論文を読みました。
こういう方は適正な乱視矯正で症状が消えるとあります。また、いま書いた症状以外に「目が乾燥する」「首や肩が凝る」「物が二重に見える」「文字が見えづらい」といった症状も出ます。乱視は角膜の歪みで光がどこにも一点を結ばない状態です。遠くも見えにくく、ピントを合わせるのが不安定で常に物を見るのに努力がいります。筋肉の収縮が続いたり疲労によって自律神経が乱れたりして、さまざまな不調が生じます。
もし乱視と判明したら、コンタクトレンズを乱視の度合いに応じて調整して下さい。
一番調整しやすいのはハードよりソフトコンタクトレンズのようです。

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— posted by 越智邦明 at 11:18 am  

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