日本学生支援機構の奨学金は無利子の第1種と金利のかかる第2種の2つがあるが、第1種は成績や親の年収制限があり昔のように簡単に借りられない。実際2011年度は第1種が10万人、第2種が30万人である。第2種の金利は固定と変動があり、今年9月の金利は固定で0.99%、変動は0.3%である。銀行より安い。返済は卒業した年の10月から始まり15年間で完済する。しかし会社の倒産や病気で返済が滞ることがある。11年度は268万人が返済中だが、うち滞納者は12%の33万に上った。さてここからが問題です。今の奨学金はよほどの事情がない限り滞納したら最後、容赦ない取り立てが待っている。我々の時のような日本育英会時代のおおらかさはもうない。さっきのAさんは保証人になっていたが、延滞金は年10%であり痛い。1回、口座引き落としができないと督促が来る。平日、休日問わず夜9時まで電話が来て本人の勤務先にも来る。そして滞納が3ヵ月続くと完全にアウト。機構は債権回収会社に債権を回す。その際、クレジットカードは停止しブラックリストにも登録される。ここで親が慌てて返済してもブラックリストの情報は5年間消えません。債権回収会社の取り立ても容赦なく裁判所の強制執行や一括返済を求めてくる。返済しないと給料や財産が差し押さえられます。Aさんは言う。「いいかげんな気持ちで大学に行って欲しくない。むしろ学力がないなら専門学校に行くべきだ」と。悲しい話ですが現実です。