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越智クリニック
 
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2013/12/9

クリスマス梗塞


欧州では「クリスマス梗塞」という言葉がある。クリスマスに暖かいレストランで食事をしてから急に寒い店外に出ると、温度差によって心筋梗塞や脳梗塞を発症するケースが増えることから生まれた言葉です。温度差は血管を直撃するのです。
厚労省の統計では心筋梗塞などの心臓病による死亡数は1月が最も多く、次いで2月、12月、3月と冬季に集中していて、夏季の1.5倍に上る。イギリス医師会発表でも気温が1度低下すると心筋梗塞の発症が28日間で2%増加するとある。
このメカニズムを少し詳しく説明する。気温が下がって寒くなると、人は血管を収縮させて血管内を流れる血液の量を減らし、熱を体外に逃がさないようにします。また代謝を活発にして体温を上げるために、アドレナリンが過剰に分泌されます。血管が縮んで細くなるとポンプである心臓は大きな力で血液を送り出さなくてはなりません。そのため血圧が上がり、心臓の負担が増えます。また冠状動脈が細くなり血液が固まると急性心筋梗塞になります。同じことが脳の血管でも起こります。
自衛策として急激な血圧の変化を防ぐため、寒い日の外出時は厚手の服、帽子、マフラー、手袋等で防寒対策をとって下さい。風呂の脱衣場やトイレも暖めておきたいものです。温かい飲み物も大事です。
前日との気温差が大きい日は要注意なのです。

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— posted by 越智邦明 at 01:03 pm  

2013/12/5

永遠の0


「永遠の0」(えいえんのゼロ)の試写会に先日行ってきた。
百田尚樹の発行部数350万部を超えるベストセラー小説である。「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズを手がけてきた、山崎貴監督のメガホンで映画化された。
出演者には主人公のゼロ戦パイロット・宮部久蔵役に、V6の岡田准一。
ドラマは人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎が、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死したことを知ることから始まる。生きることに強く執着した祖父が何故・特攻に志願したのか?元戦友たちの証言から徐々に祖父の実像が明らかになってゆく。
今年は「風たちぬ」でも「ゼロ戦」が取り上げられたが、永遠の0では唯一オリジナルエンジンで飛行可能なゼロ戦からエンジン音が収録され使用されていて迫力があった。そして新たに零戦二一型の原寸大模型が制作されたため、かなり実映像に近い。戦友の中では私は、橋爪功さんの演技が気に入った。反戦平和が叫ばれる日本―改めて「特攻」というものを取り上げて日本人に問いかける今回の映画。岡田准一さん、すばらしかったです。
尚、主題歌はサザンの桑田佳祐書き下ろしによる「蛍」でした。
是非、見て下さい。12月21日(土)公開です。
最後に、シネマサンシャイン専務取締役の佐々木淳さんに厚く御礼申し上げます。

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                       夏八木勲さん
(追記)
夏八木勲さんは本年、5月11日膵臓がんで亡くなりました。
本作品が遺作となり、謹んでお悔やみ申し上げます。

— posted by 越智邦明 at 01:18 pm  

2013/12/2

奇跡の脳


ジーン・カーパー著(丸元淑生訳)の「奇跡の脳をつくる食事とサプリメント」(上・下)(角川春樹事務所)は、発売以来10年以上読まれているロングセラーの文庫化。脳機能を左右する栄養素について詳しく解説している。
成人の脳は1日何千、何万個もの細胞が死滅し、加齢に伴いそのスピードは加速。老年を迎える頃には最盛期の40%もの脳細胞が失われると言われてきた。しかし近年では脳に必要な栄養素をしっかり取り続けることで、老化を最小限に食い止められることが分かってきた。例えばトマトに多く含まれるリコペン。ケンタッキー大学の調査では、1日16.5mgのリコペンを21日間摂取させると脳機能の改善が見られたと言う。
記憶力を回復させる葉酸、脳を活性化するセレンなど脳に効く栄養素のすべてをわかり易く書いています。
21世紀は「癌」と共に「認知症」の治療薬が大きなテーマになっています。

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(追伸)
娘が友人の結婚式出席のため松山へやってきました。ゆうちゃんはその間、私と長い時間を過ごしました。4才になってすっかり手がかからなくなりました。ボージョレ・ヌーヴォーの乾杯やかるた取りもサマになっています。モデルのポーズをとったり、写真も撮ってくれます。(最後の2枚はゆうちゃん作です。)

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— posted by 越智邦明 at 12:54 pm  

2013/11/28

菌活


柚木さとみ著「からだがよろこぶ!菌活レシピ」(幻冬舎ルネッサンス)を読んでみた。
下表の「菌不足チェックリスト」にトライすると、自分に足りない菌がわかる。菌と言ってもバイ菌ではなく、乳酸菌などの「菌」を食べて健康になろうというのである。5つの菌のパワーは以下のとおり。①塩麹ブームの麹のチカラは、消化を助けることとうま味を増すこと。②ヨーグルトでおなじみの乳酸菌のチカラは、腸内環境を整えること。便秘予防。③ナットウキナーゼを含む納豆菌のチカラは、血管を若く保ち血栓を溶かす作用と骨の強化。④酢菌の力は、疲労回復と高血圧、高血糖、高コレステロールをまとめて抑制。⑤きのこなどの菌類のチカラは、美肌効果と整腸を助けること。
暑さでバテた体に活力を与えてやって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:16 pm  

2013/11/25

老化予防


細胞は老化すると形が扁平になり核も変形した「老化細胞」になります。そこに慢性炎症が加わります。この代表は歯周病です。歯と歯肉の間の隙間、つまり歯周ポケットがあるとこの炎症はずっと拡大します。そして白血球からサイトカインが産出され、これが全身の血管を傷つけます。そのため動脈硬化が進んだり、糖尿病を引き起こしたり、悪玉コレステロールが上昇したりします。つまり局所の慢性炎症が全身に悪影響を及ぼし「老化」につながるのです。
炎症は内臓では「胃」にも起こります。有名なピロリ菌の存在は胃炎を増長させ、アルツハイマー型認知症も悪化させると言われています。また鉄欠乏性貧血も起こすといわれています。ピロリ菌の除菌は老化の進行や全身の諸症状(貧血、頭痛、慢性じんましん)の改善の可能性を持っています。
歯も胃も健康にしておくことが老化予防につながります。

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(追伸)
ゆうちゃん曰く、「私はまだまだ若いわよ」。

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— posted by 越智邦明 at 01:28 pm  

2013/11/21

ウソ


民俗学者の柳田国男が「ウソらしきウソはつくとも誠らしきウソはつくな」という言葉を紹介している。そして次のような逸話を書いている。
家来に酒を禁じた豊臣秀吉の前にお気に入りの側近、曽呂利新左衛門が真っ赤な顔をして現れた。「飲んで来たな」「いや寒いので・・・焚き火にあたって参りました」
「ウソをつけ。かいでみるぞ・・・いや臭い」「さようでしょう。酒樽を焚いてあたりましたから」
最近、「権威ある」といわれた組織がウソを見破られて告発されるケースが跡を絶たない。ウソをかばうために、またウソをつくから余計に始末が悪い。信頼を得るのには膨大な時間がかかるが、ウソがバレて信頼を失うのは一瞬です。
誠意のある生き方をしたいものです。

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(追伸)
11/17(日)久万の高原ゴルフ倶楽部に長男と行ってきた。
丁度、久万は紅葉の見頃とあって楽しみにカメラを持参した。下絵のようにとても目が覚めるような真紅ですばらしかった。標高がある分、下界とは違うようです。
余談ですが、インコース17番ロングホールのティーグランドにナイスショット観音菩薩という銅像があって、願を掛けるようになっていた。ひたすら念じていた長男であったが、ティーショットはチョロに近いものであった。やはりゴルフは神頼みはダメなようです。日々練習あるのみを悟った長男でした。

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— posted by 越智邦明 at 04:44 pm  

2013/11/18

奨学金


実話であるが、私の患者Aさんが甥の借りた奨学金に苦しんでいると言う。みなさんの中には大学時代、奨学金を借りた方も多いと思うので現状を説明したい。
日本学生支援機構の奨学金は無利子の第1種と金利のかかる第2種の2つがあるが、第1種は成績や親の年収制限があり昔のように簡単に借りられない。実際2011年度は第1種が10万人、第2種が30万人である。第2種の金利は固定と変動があり、今年9月の金利は固定で0.99%、変動は0.3%である。銀行より安い。返済は卒業した年の10月から始まり15年間で完済する。しかし会社の倒産や病気で返済が滞ることがある。11年度は268万人が返済中だが、うち滞納者は12%の33万に上った。さてここからが問題です。今の奨学金はよほどの事情がない限り滞納したら最後、容赦ない取り立てが待っている。我々の時のような日本育英会時代のおおらかさはもうない。さっきのAさんは保証人になっていたが、延滞金は年10%であり痛い。1回、口座引き落としができないと督促が来る。平日、休日問わず夜9時まで電話が来て本人の勤務先にも来る。そして滞納が3ヵ月続くと完全にアウト。機構は債権回収会社に債権を回す。その際、クレジットカードは停止しブラックリストにも登録される。ここで親が慌てて返済してもブラックリストの情報は5年間消えません。債権回収会社の取り立ても容赦なく裁判所の強制執行や一括返済を求めてくる。返済しないと給料や財産が差し押さえられます。Aさんは言う。「いいかげんな気持ちで大学に行って欲しくない。むしろ学力がないなら専門学校に行くべきだ」と。悲しい話ですが現実です。

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— posted by 越智邦明 at 05:15 pm  

2013/11/14

アニサキス


サンマやサバは日本人が大好きだが、全国で寄生虫「アニサキス」による食中毒が多発している。
神奈川県の男性がイナダ(=はまち)の刺し身を食べて激しい腹痛を訴え、胃の中からアニサキスが発見された。佐賀県でも40才女性がサンマの刺し身を食べて同じ症状となった。国立感染症研究所によると、アニサキスが原因の食中毒は1年間に2000~3000件と言う。母校東医歯大の藤田紘一郎名誉教授は言う。アニサキスはクジラやイルカの胃の中で成虫になる寄生虫です。産み落とされた卵はフンなどと一緒に海中に放出され、それを捕食したオキアミの体中で幼虫に発育します。そのオキアミを食べる魚から人間の口に入る。人間の胃や腸の中で暴れ回り、歯を突き立てて胃の粘膜に入り込む。激しい腹痛や嘔吐を起こし、中には腸の切除に至るケースもある。アニサキスが胃に入ると6時間で激しい腹痛が起こります。ふつう内視鏡で取り除きますが、腸まで入ると腸閉塞を起こし腸の切除となることが多いです。予防は徹底するなら加熱処理か、マイナス20度で24時間冷凍したものを食べるしかありません。
アニサキスは魚の内臓に寄生しています。不慣れな人がさばくと、内臓を取り除くときにアニサキスが身の方へ移動します。
新鮮な刺し身を肴にキュッと一杯は至福ですが、なるべく避けた方が無難かも知れません。

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— posted by 越智邦明 at 05:03 pm  

2013/11/11

二度寝


職員にも休日になると、正午はおろか午後3時頃まで寝る人が居る。休日がもったいない気がするが、医学的にはどうなんでしょう?皆さん、二度寝したあと「体がだるい」と感じたことはありませんか?「あんなに寝たのに・・・」と。
我々の体は最初の睡眠から覚醒するとき、体内に貯えられた脂肪をエネルギーに換える副腎皮質ホルモン「コルチゾール」がウォーミングアップしながら上昇してきます。コルチゾールの血中濃度が高まることで、血糖値が上がり体が覚醒するための準備が整うわけですが、そこで起きないとコルチゾールの分泌が低下してしまい体がだるくなるのです。すっきり目覚めて二度寝をしないためには、am5:30~8:30の間に起床するのがベスト。この3時間が起床時刻の「ゴールデンタイム」と言われています。
尚、遮光カーテンの場合、少し開けておくかレースカーテンのみにしておくと外界の光が入ります。人間の生体時計は外界の光に同調するので、快適な目覚めが得られます。

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(追伸)
11月7日の佐賀バルーンの評判が良かったので、動画を提供致します。
2分程ですので見て下さい。
 


— posted by 越智邦明 at 05:16 pm  

2013/11/7

佐賀バルーンの旅


愛媛から遠い佐賀県。ここには2大祭りと言って、世界各国のパイロットが競い合う「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」と「唐津くんち」があります。
今回私は、知人Tさんの地元とあってバルーンを見るため娘とゆうちゃん、家内の4人で出掛けました。研究するまでは、その存在も、また規模がアジア最大級というのも知りませんでした。現在は100機のバルーンが参加する大きな大会で、32年前には14機でスタートとありますからいかに進化したかが分かります。
私は福岡に宿泊し、4日にウキウキして出掛けました。この時期は「バルーンさが駅」なるものが出来て、臨時停車してくれます。さて現地に着いた所、残念な事に北風が強くてバルーン揚げは中止となってしまいました。それでも数機のバルーンが係留してあって、ゆうちゃんも十分興奮していました。天気が良ければ、ドラエモンetc,アニメのキャラクターのバルーンが上がる予定だったのでとても残念でした。会場の嘉瀬川河川敷はとても広大な敷地で競技するのに十分な広さでした。写真の最後に、絵葉書きからいただいた写真を参考に添付します。風さえなければこうなっていたのかと、またまた残念です。画像の中にバルーンが倒れそうなのがありますが、これが風の強さの証です。
“SAGA”は気球パイロット達のゆめの場所であり、バルーンニスト達のメッカとして有名だそうです。是非、四国の皆さんも家族で行ってみて下さい。
最後に、案内して下さったTさん一家に、この場を借りて感謝申し上げます。そして常に、新しい刺激を脳に与えることは人生の大いなる喜びだと思います。ゆうちゃんもきっと一生の想い出に残ると確信しています。ちなみに、ゆうちゃんは帰りのホームでバルーンのポスターを見ると「バルーンだ、バルーンだ」と大騒ぎでした。

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— posted by 越智邦明 at 05:10 pm  

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