さて日経のお話は続きがある。「こち亀」の「派出所」の話である。現在、「派出所」は日本に1つもない。警察庁が「交番」に改めたからである。交番となった派出所は海外からも注目されKOBANとしてシンガポールやインドネシアに広がっている。サッカーのワールドカップ開催を控えるブラジルもKOBANの輸入国である。これまで12の州に交番をつくった。KOBANのおかげで殺人事件などが激減し、近く27すべての州に広げる計画だと言う。
さて「警備の輸出」と考えると、4月にミャンマー大使として赴任した私の愛光学園の同級生、樋口建史(たてし)君のことを話したい。
日経の5月12日号に「旬の時の人」で取り上げられた。彼は警視総監まで登りつめ、退任後、帰松して会った時に「もう余生を楽しむよ」と笑っていたのだが今回、官邸のお呼びでアジア最後のフロンティア、ミャンマーへ大使として行くことになった。本人も突然で大変驚いていた。
ただ彼は警察官僚時代に携帯電話の本人確認、防犯カメラを使った捜査等、今の警察に欠かせない仕組みをいくつも生み出した。
後進国は特に信号をはじめ道路事情が極端に悪い。日本で培ったノウハウをきっとミャンマーに活かしてくれると大いに期待している。