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2014/5/19

糖尿病新薬


最近次々と発表されている糖尿病新薬「SGLT2阻害薬」について患者さんから問い合わせが来るようになったので解説したい。
これは従来と全く違うメカニズムの糖尿病薬である。腎ぞうの糸球体でろ過されたブドウ糖は本来、尿細管でSGLT2とSGLT1によって再吸収され体内に戻りますが、この薬はこの再吸収に主に働いているSGLT2を阻害することで糖を再吸収せず積極的に尿中に排出させ血糖値を下げる全く新しいものです。
よく皆さんは健診で「尿に糖が出ている」と指摘され困ったことがあろうかと思いますが、この薬は食後血糖160~180㎎/㎗といった高血糖になる前のもっと血糖が低い段階から糖を尿中に出すのです。
では、(1)メリットは・・・単独使用では血糖が過剰に下がる「低血糖」が起きにくい薬です。脂肪が分解されやすくなり体重も2~3kg落ちます。
(2)デメリットは・・・①糖が尿に出る時に体の水も引かれて出るため、こまめに水を取らないと脱水になる危険があり真夏は要注意②尿路・性器感染症が女性で特に起きやすい③やせ形の方や高齢者ではエネルギー不足で脂肪を燃焼させるのでは足らず、筋肉を減らす恐れ④腎機能の悪い方は効果が少ない⑤尿量が増える⑥薬をやめると体重が元に戻りやすい-の6つです。
減量だけを目的に飛びつくのは危険です。その他、糖質制限食の人は低血糖の可能性があります。大酒を飲んだ時も低血糖に要注意です。
お勧めの人は、60才以下の肥満体形で2型糖尿病の方です。また、さっき話した猛暑の日は注意する等、患者さん自身も対処することが必要な薬です。この薬が福音となるように慎重に使用したいと思っています。

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(追伸)
松山市堀之内の城山公園の堀に、白鳥のヒナが5羽生まれた話は実にほほえましい。
5月7日に通行人が見つけてから10日経ったが多くの見物人に囲まれ、親鳥に懸命について泳ぐ姿にみんな「かわいい」と感嘆。カメやコイと共に松山市民の癒しとなっています。

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— posted by 越智邦明 at 05:41 pm  

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