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2008/4/28

特定健診の疑問


4月より40~74才の男女が対象の特定健診がスタートした。メタボリック症候群の予防を目的と言うがいくつかの疑問がある。①ひと口に腹囲85cmと言っても身長160cmの人と185cmの人では条件が違うのではないか?②積極的支援に該当した人は経済的負担を被ることになる。高血圧の人は降下剤を飲むように指導される。③特定健診はペナルティーとセットである。厚労省は各健保組合に組合員のメタボを減らす目標値を掲げさせて、達成できないと後期高齢者の医療費への負担金を最大10%増やす。組合はメタボの組合員に指導を受けろと指示し、その指導を拒否するサラリーマンは、非国民扱いされ給料の査定に響くことになる。更に、改善しない人が社内で「お前のせいで健保の保険料が増えた」といじめられることが考えられる。
こうした「メタボいじめ」が小学生に浸透すると、大変な問題になる。
どうやら特定健診は国民の健康増進が第一と国は言うが、本音は糖尿病などの芽を摘んでおこうという医療費削減策ではないのだろうか。

— posted by 越智邦明 at 04:03 pm  

2008/4/24

江戸時代の医療史(3)


江戸時代には「健康」という言葉はなく、健康で長生きする生き方を「養生」と言っていた。そして養生ブームから数々の錦絵が出回った。いずれの絵も体の内部の五臓六腑を示し、細かい文字で病気の注意を記している。この養生文化の先駆けとなったのが今から300年前に出版された貝原益軒の「養生訓」である。今年の第102回医師国家試験にも貝原の名前を問う問題が出題されている。「養生訓」には一つ一つの病気についての記述はなく、どうしたら長生きできるかという、今日流にいえば、予防医学あるいは健康医学の書なのである。益軒は「病(やまい)なき時 かねてつつしめば 病なし」と説いている。「かねてつつしめば」というのが今日の用語でいう「予防」である。4月に始まった「特定健診」に代表されるように、現代医学が健康医学へ大きく舵を切ったことはまさに「歴史は繰り返す」のである。生活習慣病を最初に取り上げた貝原益軒の「養生訓」は日本最初の「健康医学原論」ともいえるのです。   (おわり)

— posted by 越智邦明 at 04:12 pm  

2008/4/17

江戸時代の医療史(2)


病人のみんな見て置く医者の癖
往診で呼ばれた家で患者ばかりでなく頼まれもしないのに居合わせた子供や年寄りの顔色や脈を見ておく。こうした情感こそ、今日言われている在宅医療の原点ではないでしょうか?

さて、私の手元にある「江戸名所図会(ずえ)」の見出しに「本町薬種店」とあります。日本橋本町には「薬種」と書いた大きな袋の看板が数多く掛かっていて日本の医療の大衆化を物語っています。江戸のショッピング・ガイドブック「江戸買物独案内(ひとりあんない)」にある合計2,622軒の商店のうち売薬屋が207軒、薬種屋が50軒、つまり10軒に1軒は薬屋ということで江戸は薬屋だらけの町だったようです。薬づくりが産業化され芝居にまで薬のコマーシャルが現れた、とあります。本町通りは当時のトップ企業のストリートでありました。  (つづく)

— posted by 越智邦明 at 04:16 pm  

2008/4/10

江戸時代の医療史(1)


大陸からの仏教文化が伝来したとき中国医学が流入し寺院を中心に医療がすすめられたが、それは支配階級の医療であった。医療の大衆化がはじまったのは江戸時代である。江戸時代は医者になるのに今日と違ってライセンスはいらなかった。看板さえかければだれでもなれた。それだけに医業は何より「評判」だった。上手だという評判がたつと流行医になれ駕籠(かご)に乗って往診できるようになる。それに対して下手で、はやらない医者のことを藪医者といった。川柳に次のようなものがある。
流行医(はやりい)のさめぬ着物を又着替え
流行医者は家に帰ったかと思うとすぐに声がかかり又着替えて往診に出ていった。今日のような病院のなかった江戸時代は医者が病人の家に往診するのが普通であり、名高い杉田玄白も毎日のように往診していたのである。
もう一つ川柳。
医者の門、四五軒起きるほど 叩き
病人が出たので慌てて医者の家に駆け付け、往診を頼むため門を大きな音をたてて叩いている光景である。
私も20年前から往診しているが、これが医療の原点なのだと改めて痛感している次第である。
(つづく)

— posted by 越智邦明 at 11:16 am  

2008/4/3

ゴルゴ13


くに~ず新聞第2号で書いたように私の好きな漫画は「ゴルゴ13」だ。この世に出て今年11月に連載40周年を迎える。
TVアニメ版「ゴルゴ13」が放映される今年は我々ゴルゴ族にはたまらない年である。40周年を記念してこのたび小学館より「各界著名人セレクションBEST13 of ゴルゴ13」なる本が出版され、早速娘婿の山内君が当院21周年のお祝いにと進呈してくれた。舘ひろし、谷垣禎一、真鍋かをり等各界の著名人13人が各々1話を選びかつその理由を語っています。1356ページという膨大な本ですが、500話を超えるゴルゴ13の全体からみるとほんの1部です。是非この本(1900円)を手にして、さいとう・たかを先生のファンになっていただきたいものです。

— posted by 越智邦明 at 07:48 am  

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