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2008/4/10

江戸時代の医療史(1)


大陸からの仏教文化が伝来したとき中国医学が流入し寺院を中心に医療がすすめられたが、それは支配階級の医療であった。医療の大衆化がはじまったのは江戸時代である。江戸時代は医者になるのに今日と違ってライセンスはいらなかった。看板さえかければだれでもなれた。それだけに医業は何より「評判」だった。上手だという評判がたつと流行医になれ駕籠(かご)に乗って往診できるようになる。それに対して下手で、はやらない医者のことを藪医者といった。川柳に次のようなものがある。
流行医(はやりい)のさめぬ着物を又着替え
流行医者は家に帰ったかと思うとすぐに声がかかり又着替えて往診に出ていった。今日のような病院のなかった江戸時代は医者が病人の家に往診するのが普通であり、名高い杉田玄白も毎日のように往診していたのである。
もう一つ川柳。
医者の門、四五軒起きるほど 叩き
病人が出たので慌てて医者の家に駆け付け、往診を頼むため門を大きな音をたてて叩いている光景である。
私も20年前から往診しているが、これが医療の原点なのだと改めて痛感している次第である。
(つづく)

— posted by 越智邦明 at 11:16 am  

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