これは実に今世紀最大の発明品のひとつと言って良いでしょう。我々の医者の世界も様変わりした。昔は手術のあと仲間と食事を取りに行くにも、いちいち行き先を告げなければならなかった。ゴルフもしかり。ポケットベルでは、いかんせん対処の仕様がなかった。ありとあらゆる情報が詰まった携帯電話。しかし一番問題なのが「紛失」。オーストラリアにホームステイしている息子から先日電話があり「バスのなかで携帯（レンタル）を失くした」とべそをかいていた。最新の機器では紛失に際し、その探索機能も兼ね備えていると言う。さて最近では携帯を仕事場に忘れて帰っただけで落ち着かず、もう一度仕事場に取りに戻る人が多いと言う。便利になった反面、お礼も昔のように「手紙」を書かなくなった昨今。寂しい想いをしているのは、私だけでしょうか。

連休を利用して県美術館へ足を運んだ。TVでも盛んに宣伝している吉村作治先生の「早大エジプト発掘40年展」を見るためだ。連休とあって実に大勢の人でごった返していた。ルクソールの王家の谷も有名だが注目は何と言ってもセヌウのミイラマスク。その青いマスクを見ながらはるか古代エジプトに思いを馳せると同時に吉村先生を団長とする早大隊の苦労に胸が熱くなった。1月27日まで開催しているので是非多くの人に見ていただきたいと思う。さて１つだけ残念な事があった。それは1Fを見学して2Fへ移動する時の階段がどのステップもほこりの山であった事だ。美術館は観客に「携帯禁止」「喫煙禁止」を叫ぶ前に自らのハード面、とりわけ「清掃」に万全の注意を払うべきではないだろうか？せっかく県内外から多くの人達が訪れてくれるのだから。

皆様、あけまして　おめでとうございます。
正月はいかがお過ごしになったでしょうか？
５日に娘夫婦がやって来て新婚旅行（ヨーロッパ）の写真を見せてくれました。ピサの斜塔やトレビの泉、ヴェルサイユ宮殿等の写真に思わず旅行をした気分になりました。パリで偶然、サッカーの大黒選手と出会ったそうで、娘夫婦と写真に納まった大黒選手の笑顔がとても素敵でした。プロのサービス精神でしょうか。
それでは皆様、良い年になりますようお祈り申し上げます。

暮れも押し迫った２８日未明、愛犬ピース（ビーグル犬）が亡くなった。１２才であった。２７日に突然けいれんを起こし獣医さんの治療もむなしくこの世を去った。想えば次男坊が小１のときに、いじめによる登校拒否となり、それを治すために飼ってやったのがピースとの出会い。その次男坊も今や大学１年生（１９才）。彼が東京から帰ってきた２６日を待つように２７日から急変した。御主人様の帰りを待っていたと思う。悲しい。この１２年間の色々な想い出が走馬灯のように頭を巡る。平日は家内が、土・日は私が散歩をしてやった。散歩中、くんくんにおいを嗅いで動かないときにまたむだ吠えしたときにたたいたりもした。「ごめんよピース。」おまえの事は一生忘れない。我が家の番犬として裏玄関を守ってくれた功績をいつまでも称えたい。ピース本当にありがとう。

結婚したばかりの夫婦の初めての旅行、ハネムーン（蜜月）。娘夫婦が１９日にヨーロッパへ旅立った。ひたすら彼女達の安全を祈願している。
さて日本初の新婚旅行を行った夫婦は坂本龍馬夫婦で妻のお龍と九州・薩摩に滞在している。１９７０年頃までは国内旅行、熱海や白浜へ２泊３日が多かったが、１９７０年以降は急速に海外指向が増大し、１９９０年からは、円高の影響もあって海外しかも高級化、長期化が見られるようになった。幸せな時代である。ちなみに私はハワイへ１週間の旅をしたが、その後は職業柄まとまった海外旅行は出来ていない。誰かのサポートをお待ちしています。

今年も12月8日に恒例の院内忘年会が行われた。毎度おなじみの道後のホテルの宴会場。仲居さんも気心の知れた仲間。さて当院の忘年会は普通とちょっと違う。毎回7－8組のチームが芸をする。そのために10月には「仕込み」に入る。医療機関だから医学の知識だけを勉強していれば良いのだがナース、事務、ヘルパー、リハビリ仲間が垣根を越えてチームを作り芸をやる。このことが心の連携という和を作り医療現場に結束をもたらしていると確信する。みんな来年もがんばろう。

くに～ず新聞 　2007年　冬号Vol.25　を掲載しました。
　
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24日母校東京医科歯科大学第一外科の大先輩であるＨ先生（東京在住）がご夫婦で訪ねてくれた。聞くところによるとお二人で遍路周りをしていて今日が最終日とのこと。Ｈ先生とは私が大学医局を辞して実に20年ぶりの再会。20年のタイムスリップであったが先生は全く変わらずお元気であった。65歳の定年で病院を辞し以前より温めてあった四国八十八ヶ所巡りを実行に移したのだと言う。さまざまな想いを込めての遍路周りだと思うが後輩の私を訪ねてくれて本当に嬉しかった。家内含め4人で20年以上も前の話に時が経つのも忘れて花が咲いた。結局出た結論は「健康で長生きしようね」であった。医者も人間。なんと言っても健康第一。松山で私も一緒にお遍路をしようと約束して楽しい夜は終わりとなりました。Ｈ先生いつまでもお元気で。

娘が11日に旅立った。今度はまぎれもなく人間の話である。私は両家の挨拶をすることになっていて10日の夜は緊張していた気がする。寝っころがっていたところに娘がやってきて顔を見るなり、こう言った。「お父さん、眉剃りをしたら顔がひきしまるよ。やろうか？」と。躊躇なく私は従った。タオルをかけられ、じょりじょりと始まった。一生懸命やってくれた。これが独身最後の私への仕事なんだと思うと胸が熱くなった。何時間もやって欲しかった。やがて完成して鏡を見せられた。「どう？」眉はどうでもよかった。「いいよ」とつぶやいてラストナイトは終わりを告げた。結婚式よりもこの日を一生忘れない気がする。東大を落ちた時よりもこのせつなさははるかに大きい。マキよ、26年間ありがとう。

初孫と言っても人間の話ではない。我が家の愛犬オンプ君（トイプードル）（ブラウン）の話である。知人のＳさんから同じくトイプードルのメス犬（ブラック）との結婚を申し込まれたのが3ヶ月前。快諾して2匹は夫婦になった。愛の契りを交わしてから3ヶ月。24日の夜、4匹のベビーが誕生した。1歳半のまだ子犬の感覚でいたオンプがなんと父親になった。ものすごい感動を覚えた。孫誕生である。人間ならなおさらだろうと想像する。26日オンプを連れてＳさん宅へ行った。6匹のファミリー集合だ。記念写真に納まったオンプが父親の貫禄を呈している。ちなみに子犬の色はミックス2匹、ブラック1匹、ブラウン1匹。メンデルの法則を思い出した。生命の誕生に改めて神の存在を感じました。みんなすくすくと育つことを祈っています。