熱中症の季節で毎日多くの具合の悪い人が来院する。本来、人間の体には熱さに自然に慣れる「温熱順化」という現象が起きるが、急激な気温上昇が起きるとこれを阻む。
温熱順化は体が徐々に暑さに慣れ、正常な発汗作用が起きることです。ところが今年はどうでしょう。いきなり真夏になったから体温は上がるけど、うまく汗をかけない。暑い国の飛行場に降り立った時のように、めまいや吐き気、意識障害といった熱中症の症状に陥ってしまうのです。
この時期を過ぎると今度はガンガン汗をかき始める。すると体が塩分不足になり自律神経が追い付かず頭がボンヤリしてきます。
体を正常に温熱順化させるには何と言っても汗をかく訓練が重要です。私は必ず夕方、ウォーキングで年中、汗をかくようにしていますが、実はとても大事な事です。シャワーでなく湯船につかるのも発汗の促進につながります。
その他カレーで汗をかいたり、水に少し塩を加えるのも一つの方法です。
今年はとに角、異常気象です。倒れないように細心の注意を払って下さい。
(追伸)
我々医師は患者さんのおなかや腰等の診察でベッドに寝てもらいます。
その時に「うつぶせ」に、か「あおむけ」に、と私やナースが指示しますが、今の若者、特に20~30才台の方は半数以上がこの意味が分かりません。「え~と、あおむけというのは、どっち向くんだっけ?」という具合に。みなさんの周りの人に尋ねてみて下さい。これは日常臨床で医師やナースが本当に困っています。何とかしなくては、という毎日です。
正解は
「うつぶせ」・・・腹ばい。体の前面を下にして伏すこと。
「あおむけ」・・・体の前面を上(天井)に向けた状態。