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2009/6/2

往診


医療の一形態として「往診」がある。
これは勤務医にはない開業医の特異的な分野である。私は22年前に開業した時に義父がやっていた「往診」を引き継いだ。
当初とても不思議な感覚だった。聴診器1つで勝負するのである。高齢患者は色々な病気にかかる。肺炎、脳卒中、虚血性心疾患、褥創等々。
家人からの訴え一つで即座に判断を求められる。「昨日から何も食べないんです」「反応が悪いんです」「顔色が悪いんです」-これらの訴えは病院内で対応するなら即、CTだとか心電図だとか血液検査だとか手軽に出来る。しかし往診宅には自分1人しかいない。それこそ医師の全能力が瞬時に問われる。点滴で様子を見ていいのか、即、救急病院に送るべきか。
話変わって、先日、松山市内の医師が定期的に集まる勉強会に出た。最後の演題でM先生が「往診で印象に残った症例」と題して講演を行った。内容は80才の老人(男性)の家人から「夕食後、応答がなく眠りこけている」と往診依頼があった由。直ちにポータブル心電図を施行。その後、血圧、脈、聴診、四肢反射等調べたが全く異常がなかった。30分も経った頃、患者が大あくびをして目を覚ました。結局、診断名は「熟睡」であった。会場は爆笑であったが、Dr.はみんなこのように冷や汗をかきながら1人黙々と診療を行っているのです。明日はわが身。がんばらなくては・・・。

— posted by 越智邦明 at 06:17 pm  

2009/6/1

昆布


干しコンブをしゃぶっておくとカラオケで美声が出るという。
さてコンブは日本産だけでもマコンブ、リシリコンブなど27種類もある。奈良時代には広い布が海中でゆらめいているようなので、広布(ヒロメ)と呼ばれました。その成分はうま味をつけるグルタミン酸や血中のコレステロールを除き血圧を下げるアルギン酸、甲状腺肥大を防ぐヨード、小便の出をよくし、むくみをとるカリウムなどを多量に含みます。また骨や歯の発育を促進し神経の興奮を静めてくれるカルシウムやビタミン類、食物繊維なども豊富に含んでいます。
従って便秘の解消や血圧の正常化、肌や髪のつやを良くする効果を持っているため、ご婦人の美容には最適の食物のひとつといえます。特に妊産婦には利尿を促進してむくみをとり、胎児にはカルシウムを補給してくれますのでぜひ食べてほしい食物です。更に血色素を作るのに必要な鉄や銅を多く含んでいるので貧血の人はコンブを常食するのがよいです。
また干しコンブの表面につく白い粉はマンニットという甘味成分で口内の炎症を鎮め喉の荒れを治してくれます。よって美声が出る訳です。

— posted by 越智邦明 at 01:11 pm  

 
2009/6/1

くに~ず新聞


くに~ず新聞Link  2009年 夏号Vol.31 を掲載しました。
 
左のメニューの くに~ず新聞 をクリックするか、ここLink をクリックして御覧ください。

— posted by 越智クリニック at 12:31 am  

2009/5/28

お茶


緑茶は奈良時代に中国から渡来し平安時代には貴族の間で長生きの薬として大切にされていました。お茶のエピカテキンというタンニン質は「老化の原因となる血管を傷つけ動脈硬化を促進する」活性酸素の働きを強く抑え、血中の過剰なコレステロールや中性脂肪を除いてくれます。その効力はビタミンEの50倍以上です。また毛細血管を強化するビタミンPを多く含み脳出血などを予防。カフェインは脳の血管を広げ、頭への血行を促進して大脳の疲れをとって脳の老化も防いでくれます。
更に緑茶は美肌をつくるビタミンCの宝庫。とくに新茶の煎茶に多量に入っています。しかしウーロン茶は少なく紅茶は全く含まれません。
テオブロミンという成分は尿の出をよくし体のむくみをとってくれます。
もうひとつ、茶のタンニン成分には殺菌、消臭力があります。番茶でうがいをすると風邪の予防に役立ち、寿司屋で必ずお茶を出すのは魚の生臭さを消すためです。

— posted by 越智邦明 at 04:17 pm  

2009/5/25

似たものことば(その3)


教会にいる聖職者は「牧師」いや「神父」?教会によって牧師さんと呼ばれたり、神父さんと呼ばれたりするがこれはどうして?
実はカトリックとプロテスタントの違いで呼び名が変わるのです。カトリックには司教・司祭・信者という位階制度があり、信者が司祭に呼びかけるときは「神父さま」。英語ではファーザーで中国では「神父」の字を当てそのまま日本に入ってきた。
一方、プロテスタントではこの司祭に相当するのが「牧師」。牧師は教会に住んで説教や牧会にあたります。
ほかにもカトリックは聖像がありプロテスタントは聖書中心で前者は聖歌に対して後者は賛美歌といった具合です。

— posted by 越智邦明 at 04:00 pm  

2009/5/21

加圧トレ


「加圧トレーニング」って聞いたことはありますか?「手っ取り早くやせられる」と芸能人にもてはやされ、それがダイエット好きな女性たちの人気を呼んでいます。しかし今やメタボの中年男性にこそうってつけのようです。
高血糖、高コレステロール血症、高血圧等で悩んでいたメタボの男性が3ヵ月、加圧トレーニングをやったらメタボが解消したという話があります。脚や腕などに加圧ベルトを巻いて圧力をかけると血流が適度に制限されます。脳はその状態を危機と判断し成長ホルモンの分泌を促進する。その成長ホルモンの効果でさまざまな効果がもたらされると考えられています。成長ホルモンは成長期に筋肉や骨の成長を促すホルモンですが、それ以外に脂質や糖の代謝に関わってそれらを適正なレベルに調整する働きがあるとされています。それがメタボ脱出に一役買っているようです。
さて加圧トレーニングは脳卒中後遺症のまひのリハビリにも効果があると最近注目されています。このように加圧トレーニングは予防からリハビリまであらゆるレベルの人に効果的ですが、資格を持った人のもとで行う必要があること。また、このデメリットなども今後、解明される必要があります。

— posted by 越智邦明 at 06:06 pm  

2009/5/19

アラスカ・フォトライブ


DSC8638

当院くに~ずホールでの催し物が今回は5月16日(土)に行われた。写真家、松本紀生さん(37才)の「アラスカ・フォトライブ」だ。彼は今、夏はアラスカの無人島で、冬は氷河の上のかまくらでひとり生活し、一年の半分以上をアラスカでの自然撮影に費やしている。写真ありビデオありで実に感動的であった。6つのセクションに分かれていた。①南東アラスカの原生林 ②無人島でのキャンプの様子やクマ、アザラシ、トドなどの生態 ③ザトウクジラの集団捕食行動 ④氷河の上でのかまくら生活とオーロラ撮影の様子 ⑤マッキンリー山を中心としたアラスカ山脈の風景 ⑥オーロラの映像 である。
特にザトウクジラがニシンの大群を追いつめて一気に捕食するビデオは圧巻であった。またオーロラでも赤いオーロラは珍しいそうで、とても幻想的で感動そのものであった。このブログの読者で来られた方も同じ想いだったと思います。
松本さんは毎日同じスパゲィティを1ヵ月も2ヵ月も食べ続けるそうで、この点で私はアウト。人のやらないことをやらないと卓越した写真は撮れないという、ごく当たり前の理屈を平気でやってのける松本さんはやはり一流の冒険家でした。
最後にクスリは持って行かないのか?と個人的に尋ねた所、やはり抗生物質は持って行くそうです。松本さんの益々の発展を祈っています。
 
 
松本紀生オフィシャルサイトへLink

— posted by 越智邦明 at 05:10 pm  

2009/5/18

温泉


「温泉学」について語る人はと言えば有名なのが、松田忠徳札幌国際大学教授。日経にも連載していたので御存知の方も多いと思う。彼の著書「知って・楽しむ松田教授の温泉道」(中西出版)をひもとくと温泉と歴史、宗教、文化の意外な関係が書いてある。彼の話によると戦国時代は温泉の争奪戦だったと言うわけだ。武将は温泉を獲得しながら勢力を拡大した。秀吉は有馬温泉、家康は熱海温泉を掌中に収めて天下をとった、つまり“温泉を制するものが権力を手にする”というわけです。温泉が心身再生の場であることは歴史的にも立証できます。湯治を考えれば理解できます。
さて日本人はなぜこんなに温泉好きなのか?
その根底には“平等意識”があるという。裸で入るということは地位も身分も老若男女も関係なく、みな平等です。だからこそ肩の力が抜け疲れがとれるのです。
松田教授は最後に「混浴」こそ世界に類を見ない日本の文化であると主張します。
今や、若い女性がこぞって混浴温泉を求めています。
男性諸君いかがですか?

— posted by 越智邦明 at 05:44 pm  

2009/5/15

いちご


大粒のルビーを思わせるイチゴはバラ科の多年草。14世紀にフランスとベルギーで栽培が始まり、18世紀以降はアメリカ大陸の大果を作る種類が市場の主流を占めています。わが国には江戸時代にオランダ人によって長崎にもたらされました。
イチゴはビタミンB1、B2、B6、C、E、葉酸などビタミンの宝庫。特にCはミカンの2倍以上も含みます。
Cはタバコの害を防いでくれるので愛煙家はしっかりと食べて下さい。Cはまた細菌やウィルスに対する体の免疫力を高め強い抗酸化力で活性酸素を消去し、がんやアレルギーの発生を予防してくれます。またコラーゲンやエラスチンの製造能力を高め美肌作りを助けてくれます。
イチゴの赤色はアントシアニン色素で視力の向上、肝機能の改善などの働きがあるため、東洋医学では眼精疲労や精力の衰えを回復する薬草として喜ばれています。
みなさん、1日に3個イチゴを食べませんか。

— posted by 越智邦明 at 01:19 pm  

2009/5/13

登竜門


この言葉を辞書で調べると「鯉(こい)が黄河の上流にある急流の竜門というところを登ることができると竜になることができるという伝説から“出世の関門”のこと」とある。
江戸時代の5月5日の端午の節句には武士は家紋入りの旗や吹き流しを家の前に飾ったが、これに対抗して町人はこの故事の大鯉を(青空を水に見たてて)空にのぼりとして泳がせました。
江戸庶民が持つ素晴らしい発想力というべきです。
私が大学で胃班研究グループに居た頃、当時の星助教授に鯉を食べによく連れていってもらいました。鯉のあらいや煮付けなどおいしかったです。料理屋の池で勇壮に泳いでいるのを取ってくるのですから新鮮なはずです。今日はこの鯉の生理作用を検証してみます。鯉の肉は強い利尿作用を持ち腎臓病や産前産後のむくみとりの薬とされます。特に小豆50gと一緒に煮てその煮汁と共に食べると一層の効果があり又母乳の出もよくしてくれるので、出産祝いに鯉を丸ごと一匹贈るという江戸時代の風習は合理的でありました。
鯉のレバーは鯉胆(りたん)と呼ばれシプリノールという特有の成分を含み目の炎症や夜盲症、かすみ目の治療、視力強化の薬として煮て服用します。
鯉を長時間煮ると油が浮いてきますがこの油は古くからヤケドの治療の外用薬として用いられ最近の研究ではアトピー性皮膚炎を抑制する作用があることも分かってきました。
最後にプロ野球の鯉チーム(広島カープ)は登竜門ならぬAクラス入りを狙っています。がんばれカープ。

— posted by 越智邦明 at 12:37 pm  

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