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越智クリニック
 
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2009/7/13

茄子(ナス)


夢、特に正月初夢に見ると縁起がよいものを並べた文句で「一富士、二鷹、三ナスビ」というのがあります。富士山、鷹狩り、駿河茄子が徳川家康の大好物であったそうです。当時の駿河(静岡)産の初ナスビは将軍家へ献上するしきたりになっていて、とびきり高価であったそうです。
今日はこの「ナス」についてにお話です。
「秋ナスは嫁に食わすな」の意味はナスは体を冷やす作用があるので涼しくなる秋以降に食べると婦人の腹部を冷やし流産の恐れがあることから嫁の体を心配しての諺というのが真実です。
ナスはインドが原産地で奈良時代に日本に入ってきました。水分が94%もあり低カロリーの太らない食物です。のぼせをとり血圧を下げる食効があり、昔から高血圧の人の食物とされています。これはルチン、ヘスペリジンといった細い血管を強化し破れを防いでくれる成分が多く含まれているからで、消化の良いこととあいまって高齢者には最適の食材です。ヘタの部分を茄蒂(かてい)と呼んで黒焼きにし、口中に塗って舌や口内の荒れやただれを治すのにも使ったそうです。
私は漬物のナスが一番好きです。ナスはキュウリと違って嫌いな人は少ないようですが。

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— posted by 越智邦明 at 05:47 pm  

2009/7/9

モンスター・ペイシャント(Monster Patient)


ウィキペディアによると「医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求・暴言もしくは暴力を繰り返す患者のこと」とある。
わが病院にも増えてきた。いくつかの例をあげてみる。
(その1)嘔吐下痢の中年男性。2日目の再診日のこと。「いかがですか?」「嘔吐も下痢も止まりました。あとは熱だけです。」「何度ありますか?」「わかりません」「どうして測らないんですか?」「体温計がないのにどうやって測るんぞ~。買う金がないんじゃ~」と大声で突然モンスターに。とにかく恐怖です。
(その2)咳が続くという中年男性。診察の結果、「気管支炎」で内服薬を勧めた。ところが突然「結核ならどうするんじゃ~。いいかげんな診察じゃのう」と大声に。やむなくレントゲン、血液検査を行い、異常のないことを説明したが、鬼のような顔。とにかく恐かった。
(その3)他院の院長先生から聞いた話。中年男性患者さんに病気の説明をしていたら「お前の説明は気にくわん」と言ってDr.の顔にパンチ。すぐにパトカーが来て逮捕。そのDr.は「病院はホテルではない」と吐き捨てるように私に話してくれました。
以上はほんの1部ですが、私が開業した20年前は患者さんにも、もっとモラルがあったと思います。
今やややもすると「お金を払っているのだから治って当たり前。治らなかったら病院が悪い。いざとなったら訴えれば必ず勝つ」といった風潮が日本全国にあふれています。「感謝」の気持ちー忘れないようにしたいものです。

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— posted by 越智邦明 at 01:07 pm  

2009/7/6

鉛筆


最近使われなくなった鉛筆。どうして六角形なんだろう?昔は丸軸鉛筆で机の傾きなどで転がり落ちて芯がよく折れたそうです。
世界で初めて六角形軸の鉛筆を販売したのは1851年ドイツのファーバーカステル社とされている。転がらないだけなら四角形でもいいはずだが?日本で最も古い三菱鉛筆(1887年創業)の担当者が言う。「鉛筆を握る際は親指・人さし指・中指の3点で押さえるので3の倍数の角が持ちやすくなります。三角形の鉛筆もありましたが、やはり六角形が一番しっくりくるようで世界的な業界基準となっています。」
ちなみに色鉛筆が丸いのは絵を描く際にさまざまな持ち方をするので角がない方が都合がいいから。
鉛筆にもさまざまな歴史と創意工夫があるようです。

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— posted by 越智邦明 at 05:12 pm  

2009/7/3

蓮(はす)


蓮の種子は生命力が強く2000年前のものが発芽し花を咲かせ話題になりました。
ハスはスイレン科の水草。日本へは古く大陸から渡来し、万葉集にはハチスの名で出てきます。
仏教の花としてまたその根茎は食物の蓮根(れんこん)として日本人にはなじみ深い植物です。
私が29才の時、茨城県の土浦協同病院で働いていましたが、手術のお礼に、とよくレンコンをいただきました。新鮮でとてもおいしかったのを覚えています。
ハスは花に白と紅があり、白花のレンコンは関東に多く「もちはす」と呼ばれ、小さいが粘りが強くおいしいとされます。紅花のレンコンは九州に多く「みはす」と呼ばれ、大きいが粘りが少なく味はやや劣ります。そのため大きな穴に辛子を詰めて「辛子蓮根」として売り出しています。
レンコンは滋養強壮、止血、精神安定、消炎の作用があります。切り口が黒く変色するのは鉄分とタンニンが酸化されるためでタンニンは消炎、止血作用を持ちます。また豊富なペクチンなどの食物繊維は腸の働きを活発にして便秘を改善してくれます。
みんなに愛されるレンコンですが、以前にブログで書いたレンコン丸呑み事件にならぬよう、よくかんでから食べて下さい。

蓮の花


— posted by 越智邦明 at 12:44 pm  

2009/7/1


いま、梅の収穫時期ですが、昔から梅は健康にいいとされてきた。医学的根拠はあるのでしょうか?
梅の産地である和歌山県みなべ町と和歌山県立医大が共同で7年前から研究が行われた。
すると色々な健康効果が判明した。列挙してみよう。
①胃がんの抑制・・・シリンガレシノールという成分がピロリ菌の増殖抑制に効果がある。
②殺菌作用・・・黄色ブドウ球菌やO-157など食中毒菌を抑制することが証明された。
③糖尿病予防・・・成分のポリフェノールに効果がある。更に動脈硬化を抑制し、血液をサラサラにし老化防止にも役立つ。
④抗疲労作用・・・成分のクエン酸が疲労物質の乳酸を抑える働きがある。
⑤ダイエット効果・・・エネルギー消費を促進し、メタボ解消に一役買う。
梅干し、梅酒で是非、健康を勝ち取ってください。ちなみに私は「梅肉あえ」が好きです。

梅干し


— posted by 越智邦明 at 04:06 pm  

2009/6/29

喫煙タクシー


世をあげて禁煙の時代。飛行機も新幹線も愛煙家は閉め出され、肩身が狭い。東京都内のタクシーが全面禁煙になって1年以上が経過した。しかし東京の人の話だと逆手にとって喫煙タクシーが大繁盛とか。車両224台を保有する「アシスト」は全車で喫煙OK。社長がヘビースモーカーの企業なら“即契約”となるらしい。「アクスル」も全車喫煙OK。“あまのじゃく”ビジネスだが金儲けに関しては彼らの方が一枚上か!

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— posted by 越智邦明 at 12:19 pm  

2009/6/26

山芋


私は山芋のネバネバがとても好きで、特にトロロ汁をごはんにかけて食べるのが気に入っています。
山芋はヤマトイモ科のつる性の多年草。その昔、今は亡き親父が山で栽培していた自然薯はおいしかったのを覚えています。昔から根茎を体の衰弱や疲労回復の滋養強壮食とします。しかもジアスターゼなどの消化酵素を多く含んでいるので素晴らしい消化剤にもなります。胃粘膜の保護をするネバネバ成分のムチン、炎症を鎮めるサポニンなどの働きで消化を促進し胃腸を丈夫にし下痢を改善してくれます。
また多量のコリンやアルギニンなどのアミノ酸が含まれています。コリンは体の働きを活発にさせ老化を防ぐ神経伝導物質を作り出します。アルギニンは精子を作るのに不可欠。これらの働きにより虚弱体質や老衰を回復し夜尿症も改善してくれるのです。
最近の研究ではデオスコランという成分が血糖降下作用を持ち糖尿病に有効なことが判明しています。
酒の肴に山芋の短冊切りはいかがですか?

P1000554


— posted by 越智邦明 at 12:20 pm  

2009/6/24

往診(その2)


私が定期往診をしているKさん(94才、女性)とは、もう20年の付き合いになる。この20年間に色々な病気をしたが、その都度、入院もしながら現在、元気で生活している。毎週、木よう日の午前、外来診療を中断してKさん宅に訪問する。このお宅は庭が広く、息子さんが高山植物をはじめ色々な樹木を植えていて楽しい。鳥のさえずりを聞きながらの診察は普段の喧噪を忘れてほっと一息つけるまたとない瞬間だ。今回も、庭の縁側に座ってもらって血圧を測る。夏は屋外、冬は室内だ。さて、いつも彼女が話すことは決まって「私はあと何才生きれるかなあ」。私はいつも「100才は楽に生きれるよ」。すると彼女は「そんなに生きよってどうするんよ。人の迷惑じゃ」と繰り返し答える。彼女は息子さん夫婦、訪問ヘルパーさん等色々の人に支えられ現在がある。何といっても2本足で歩ける長寿はすばらしいし、うらやましい。
はたして私が40年後にも彼女と同じように庭で散歩できるだろうか。いずれにしても彼女の百寿のお祝が出来ることを切に願っている。

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— posted by 越智邦明 at 02:02 pm  

2009/6/22


卵が牛乳と共に完全栄養食品といわれるのは、良質なタンパク質が豊富でミネラルやビタミン類を多く含み、人間のからだの必要な栄養素を多く含んでいるためです。必須アミノ酸も9種類をバランスよく含んでいます。
よく卵は毎日食べるとコレステロールが上がると敬遠されますが、卵の中にはコレステロールを下げるレシチンやビタミンB2が豊富に含まれるため毎日食べても問題ないと言われるようになりました。
唯一、こんな卵に不足しているのはビタミンCと食物繊維です。野菜も一緒に食べるのが肝心です。さて卵の殻を洗ってから保存する方がいますが卵の殻には無数の穴があって水といっしょに雑菌が入り込むことがあります。「賞味期限」は「生食できる期限」ですから、過ぎた場合はしっかり加熱して食べて下さい。
健康体であれば卵とコレステロールについて心配するよりも卵は毎日食べて欲しい食品です。

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— posted by 越智邦明 at 09:38 am  

2009/6/18

食道アカラシア


45才の男性。「ご飯の最中にゲップがよく出る」「胸のつかえや背中の痛みがある」「時々吐く」等の症状で来院。診断は食道アカラシア。
ふつう食べ物が入ると食物を食道から胃に移行させるため筋肉が収縮して移動させる蠕動運動が行われる。それがうまく行かなかったり、あるいは食道と胃をつなぐ下部食道括約筋がうまく弛緩しなかったりすると、食べ物の流れが悪くなり、食道下部に食べ物や飲み物がたまりやすくなるのが食道アカラシアです。悪化すると潰瘍や食道がんに結びつく危険性もあります。
原因は不明ですが、心身のストレスも関連があるようです。ストレスをためないで食事はゆっくり食べることをお勧めします。

— posted by 越智邦明 at 10:25 am  

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