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越智クリニック
 
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2010/9/13

股間の事故


母校同期で泌尿器科医のK君から次のような話を聞いた。「越智君、救急をやっていると男の股間の事故が多いんだよ。これが大変なんだ」と。
自転車で転倒してタマを強打とか、野球中にボールが命中したりと、男なら1度や2度は経験していると思うが激痛が走ります。一番多いのはキャッチャーでしょうか。
怖いのは尿道の損傷です。損傷すると尿が出にくくなり治療も厄介になる。尿道損傷は軽い順に挫傷、部分断裂、完全断裂の3段階に分かれる。軽い挫傷ならカテーテルを尿道口から数日間入れておくだけで自然に回復するが、問題は断裂だ、とK君は言う。
完全断裂では膀胱瘻を作り、尿道の炎症が沈静化するのを待ってから内視鏡的に尿道再建術や尿道形成術を行う。無事に手術が終わっても、尿道狭窄という後遺症が待っている。ブジーやカテーテルで広げていくのだが困難を極めると言う。更に気になるのは勃起障害。ペニスの海綿体が線維化を起こして勃起機能が失われてしまうことがあると言う。キャッチャーはプロテクターを必ずしていると聞くが、確かに必須だと思う。何せ、硬球が当ったら大事に至りますね。
男性の皆さん、くれぐれも股間に注意して下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:19 pm  

2010/9/9

元気の出る写真


私は以前から書いているように、定期往診を行っている。準寝たきり状態にある老人が多い。厚生労働省も在宅医療に力を入れ始めたが、私は義父の時代から往診には力を入れている。人は特に年を取れば在宅での治療を好むし、6月17日のブログで書いたように、102才で亡くなったSさんも在宅死を望んだ。しかし在宅で全ての対応が出来るかというと限界もあるし、そのような場合は一刻も早く病院に収容し、治してからまた在宅に返すことが肝要である。今回、下の写真にある井上さんは私が在宅治療をしている方だが、熱中症になったため緊急入院をさせた。
さて当院では、入院患者の高齢者の方には誕生日を手作りで祝っている。今回井上さんは、入院中に89才の誕生日を迎えた。首飾りをつけてもらって往診担当のナース三木さん共々記念写真を撮ろうとした瞬間、突然、井上さんがVサインをした。みんな驚きそして爆笑となった。
いつも寝てばかりで、地味な性格の井上さんのVサイン。誕生日はみんなを元気にするものです。長生きしてください井上さん。
(追伸)
①9月2日の写真に写っている水車は、西予市宇和町のCafe「苔むしろ」というところにあります。
②現在ホームページの上段を飾る木の実は、ざくろです。

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— posted by 越智邦明 at 11:22 am  

2010/9/6

肛門病学会


今年も肛門病学会(第12回)が8月28日(土)、ふなやで行われた。
20数名の肛門科の先生が集まった。いくつかの演題の中で面白かったのは「軽い便失禁の治療経験」であった。もちろん高齢者であるが、便が下着に付着するという病例は私の所でもよく経験する。106人のうち男31人、女75人と女性が多かった。この人達に脳代謝改善剤サアミオンを使用すると、60%の人に有効であったと言う。並行して括約筋トレーニング、即ち肛門をキュッと締める訓練も指導したとの事。
次に「ウォシュレット症候群」という名前を皆さん御存知でしょうか?肛門科医にはよく知られた名前であるが、ウォシュレットに慣れると水圧を上げないと満足しなくなり、だんだん強い水圧になる。そうすると肛門から直腸へ水が入り、浣腸と同じ効果が起こり、あとで下痢が生じるというものである。それ故、ウォシュレットは反省期にあると会場で話題になった。
続いて特別講演が行われた。演者は仙台で、きくた肛門科を開業している菊田信一先生である。タイトルは「痔瘻に関する最近の話題」である。痔瘻に関しては、隅越先生が作った「隅越分類」がバイブルであるが、菊田先生はやはり隅越分類を重用すべきだと語った。
詳しい内容は難しすぎて書きませんが、年に1回こうして専門家の意見を聴くことは明日への診療の糧になると痛切に感じました。

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— posted by 越智邦明 at 11:40 am  

2010/9/2


桃はみなさんお好きですか?
桃は中国北部を原産とするバラ科の植物です。天上界には、ひとつ食べると3000年長生きするという桃があって、この実を孫悟空が盗んで天上界を追われるのが「西遊記」のはじまりです。
中国では桃の実を仙果と呼んで、長寿をもたらすめでたい果実とされています。
東洋では内臓の疲れを取り顔色を良くする食効を持つとされ、西洋では食欲を促進しのどの渇きを止めてくれると言われています。
漢方では種の核をセキ止めや月経不順の治療に使います。葉は消炎力と殺菌力があるので、風呂に入れた桃湯はあせも、かぶれ、ただれに効力があります。花は煎じて緩下剤に、木の皮は煎じて腹痛や黄疸、更に外用として痔の治療に用いるそうです。
さて、最近のゆうちゃん。海に入るのは生まれてはじめて。波がやってきて泣くかと思いきや、全く平気で足をバタバタして喜んでいました。

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— posted by 越智邦明 at 05:17 pm  

 
2010/9/2

くに〜ず新聞


くに~ず新聞Link  2010年 秋号 Vol.35 を掲載しました。
 
左のメニューの くに~ず新聞 をクリックするか、ここLink をクリックして御覧ください。

— posted by 管理人 at 01:00 am  

2010/8/30

ピロリ菌


ヘリコバクター・ピロリ菌は今や知らない人が居ないぐらい有名になった。胃、十二指腸潰瘍の原因の一つということが判明し、感染陽性者には除菌治療が保険適用されている。
さてピロリ菌は胃がんを引き起こすバクテリアとしても知られている。胃癌死が多い日本人に於いて陽性率が高いことから、がん予防の観点からも除菌を勧められている。ところが例えばタイでは日本人と同じように、50才以上で6~7割がピロリ菌に感染しているのに胃がん死亡率は低い。10万人あたりの胃癌死亡率は、日本人の38人に対してタイは3人である。このナゾに対して研究が進められた。そこでごく最近になって分かったことは、コレステロールに善玉と悪玉があるようにピロリ菌にも善玉と悪玉があることである。
大阪大学の微生物学の山本容正教授によると、日本とタイのピロリ菌が実は別物であることがわかった。日本人のピロリ菌は「東アジア型cagA」という遺伝子を持ち、この悪玉ピロリ菌は胃壁にくっついてがん化を強烈に進めることもわかった。さきほどのタイでの調査で、胃癌になった人はやはりこの悪玉ピロリ菌が居て、他の多くの人はこの遺伝子を持たない善玉であった。
近い将来、自分のピロリ菌が善玉か悪玉かが遺伝子検査で簡単に測れるようになるようだが、それまではピロリ菌陽性なら早めに除菌をした方が良いと思われます。

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— posted by 越智邦明 at 12:18 pm  

2010/8/26

30年ぶりの再会


私が結婚したのは27才。今からちょうど30年前。松山国際ホテルで挙式したのだが、東医歯大の同級生3人(青柳、勝俣、河)も出席してくれた。
我々4人組は、大学6年間、本当に仲良く過ごした。特に、長期休暇の時は決まって全国、旅をした。本屋の息子だった勝俣君が、時刻表を片手にいつも旅のスケジュールを作ってくれて、あとの3人はその行程に乗って動くだけであった。北は北海道、南は九州まで想い出は尽きない。青柳君は脳外科医、勝俣君は皮膚科医、河君は整形外科医として、みんな関東で活躍している。私は開業して23年間、いつもこの4人組の再会を夢見てきた。そして、ついにそれが実行される時がやってきた。今年の4月に3人に次のような手紙を送った。「卒業して30年以上経ったけど、みんな元気にやっているかい?出来るなら今年中に4人で一泊して旧交を温めないかい?」と。直ちに3人からyesのmailがあり、河君の発案で私の所、松山に集合することが決まった。日にちは学会のない8月のお盆明け、8月21、22日。私は旅費、宿泊費全ての費用を私が持つことを提案した。最初は躊躇した3人も私の熱意に納得してくれた。
8月21日(土)、空港に迎えに行った私はドキドキしていた。そして到着のアナウンスのあと、多くの人に混じって3人が出て来た時は本当に嬉しかった。みんな、それ相応に年を取ったが、懐かしい面々だった。早速、自宅に連れてきて家内と会った。家内も30年ぶりで話が弾んだ。30年という空白を埋めるのは、しかし容易であった。青柳君が旅行の時の写真(アルバム)を大量に持ってきていて、みんなで拡げながら歓声をあげた。私が一番印象に残った旅行は、信州は小海線の飯盛山(めしもりやま)に登った時のことである。
八ヶ岳をバックにした小海線をちょうど汽車が走り、後ろを振り返ると富士山が見えるという大パノラマであった。勝俣君は、「あんなに気象条件が揃うことはめったにないよ。旅行に天候は付き物だよ」と感想を述べてくれた。
しばしの歓談の後、城山にロープウェイで登った。天守閣まで登り、みんな「松山は広い。大都会だ。海もあっていい所だ」とほめてくれた。その後、旅館でゆっくり道後温泉を楽しんでもらい、7時より夜の街に繰り出した。積もる話が山のようにあって、時間の経つのも忘れて話し込んだ。
翌22日(日)は、今治の糸山へ行き、瀬戸内海に架かる、しまなみ大橋を見学した。昼食で今治のおすしを堪能したあと一路、空港へ向かった。時間にしてたった24時間の滞在であったが、私にとっては、かけがえのない再会であった。
友、遠方より来る、又楽しからずや。
(左上の写真、左から河、勝俣、私、青柳)

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— posted by 越智邦明 at 11:31 am  

2010/8/23

熱中症


とにかく暑い。連日35℃を越えて、人間も動物も草木もぐったりです。
夏バテは俗称で次の3つの症状の総称です。
(その1)
発汗が多すぎて水分不足の脱水症状だけでなく、ナトリウムやカリウムなどの微量なミネラル分も排出されてしまい、体内の電解質のバランスが崩れて体調が異常になる。
(その2)
体温調節がうまくできなくなる。温度が高いだけでなく湿度も高くなり、汗の蒸発が妨げられて熱が体内にこもってしまい疲れやすくなる。また、冷房の部屋と暑い屋外との温度差が大きすぎて、体温調整の自律神経のリズムが乱れる。
(その3)
暑さによる胃腸機能の低下。そして食欲不振を招き、消化吸収の機能も落ちてしまうため栄養を取れなくなり倦怠感を催す。冷たい水分を多く取ることで胃液が薄くなり、消化不良になって食欲が落ちるという悪循環に陥る。

連日、当院にも熱中症の患者が多く訪れ、1人の老婆は入院しています。この方は貧しくて部屋に冷房がなく扇風機だけでした。なんといっても予防が第一で、次に栄養バランスのとれた食事、特に塩分を多く摂ること、又しっかりと睡眠も取るようにして下さい。
あと夏も少し。ガリガリ君を食べて乗り切って下さい。

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— posted by 越智邦明 at 01:12 pm  

2010/8/19

バナナ


果物の中で最も寿命の短いのがバナナです。
青い未熟のバナナは輸送も可能で日もちしますが、いったん中央市場の地下の室(むろ)に入れられて、30度前後で発酵させるとあっという間に寿命が尽きてしまいます。この室の中で果肉が軟らかくなり甘みが増し、独特のアミルアルコールの芳香がついて店頭に出荷されるとみなさん御存知のように、3日で黒い斑点が現われ5日目で限界です。あとは店頭に並べておけません。
以前に、くに~ず新聞に書いたようにバナナはデンプンを主とする糖質を22%も含み、ビタミンA、カロテン、B1、B2、B6、Cといったビタミンが豊富です。又有機酸を全く含まないので酸味はなく、実に甘い滋養に富んだすばらしい果物です。
さてバナナは聖書に出てくるエデンの園の知恵の実がバナナであったといわれるほど、古くからの食物です。
バナナは多量の繊維を含み、腸の蠕動運動を促進して便秘解消に役立ちます。また気管支炎を改善し、咳を鎮める作用もあります。
毎日1本いかがですか?

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— posted by 越智邦明 at 03:59 pm  

2010/8/16

A型肝炎


開業当初、今から20年ぐらい前は多くのA型肝炎の人を診断、治療しました。ここ最近は、ほとんど見なくなっていましたが、国立感染症研究所によると最近急増していると言う。A型肝炎はA型肝炎ウイルスに汚染された水や食べ物を口にすることで発症する感染症です。上下水道の完備されていない公衆衛生の劣る国に多い病気です。
症状は微熱が出て体がだるく、嘔吐や下痢を繰り返す。お腹の風邪のように見えますが、そのうち白っぽい便が出て、白目が黄色くなる黄疸が出ます。血液検査で分りますし、1カ月ほど安静にすれば完治しますが、まれに劇症化し死ぬこともあります。潜伏期は2~6週間です。
さて何故日本に増えているのか?ひとつは50才以上の年代は既にA型肝炎の抗体を持っている人が多いのですが、若い人は抗体がないため感染しやすくなっていること。このため海外旅行で感染する。2つ目の理由はカキなどを生で食べる人が増えたことです。感染研の調べでも、3~4月の感染者の4割は生ガキを食べていました。
予防は食前やトイレ後に手を洗うこと、生ものを避け火を通すこと、不衛生な国に行く時はワクチンを打つことも重要です。

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— posted by 越智邦明 at 03:15 pm  

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