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2014/6/16

認知症あれこれ


認知症についてはずい分、ブログに書いてきた。
今回は日経新聞春秋(4月28日号)をそのまま引用してみたい。

「年をとってから認知症になる人をあまり見かけない職業が2種類ある。毎月1000人近い認知症患者を診察するという専門医の長谷川嘉哉さんが、自身の経験などから、そんな見方を披露している。作家や音楽家、画家などの芸術家と、やり手の創業経営者だという。
 感情を遠慮なく表現し、逆境も楽しむ。そうした人は比較的、認知症と縁遠い。頭を使うと認知症の防止になるというが、毎日同じような仕事で頭を使っても効果は乏しいそうだ。とはいえ自由奔放に生きられる人は多くない。むろん芸術家などもリスクゼロではない。誰もが無関係ではいられない話と覚悟すべきだろう。
 2007年、徘徊中の認知症男性(当時91)が電車にはねられ死亡した。同居する妻が数分間うたた寝をした間に1人で家を出たのだ。鉄道会社は損害賠償を求め、先日の控訴審判決は妻(同85)に約360万円の支払いを命じた。老いや病で自立困難なとき、夫婦は介護や監督の義務がある。それを怠ったという理由だ。
 認知症患者は約300万人。25年には470万人になると政府はみる。判断力は陰っても感情やプライドは大人。集団生活よりも、慣れた自宅で暮らすのが望ましいとされる。介護する人もされる人も認知症という「認認介護」や、家族が介護のために離職・離散する例が増えていく。担い手への手助けや心配りは十分か。」

さて、よく「認知症になりにくい職業は?」と聞かれるのも事実です。ワンパターンの仕事よりもあれこれと考えをめぐらす仕事がなりにくいと言われているのもは事実です。医師もその1つかもしれません。私の先輩医師で認知症で仕事ができなくなった人は(少なくとも私は)知りません。
それと認知症患者が判断力の低下により引き起こす事件・事故は増加の一途だと思います。介護する人間の数が減って目が届かなくなっています。社会構造の変革が大きく求められています。みんなで考える問題だと思います。
(追伸)
昨日、6月15日は父の日。
東京築地のがんセンターに勤める長男、友洋君から下のようなビールが届いた。アンケートでは母と違って父は50%ぐらいしかプレゼントをゲット出来ないと言われているが、届いて嬉しかった。
ふだん全くメールの返信も来ない彼だが、父と母の日は覚えてくれているようだ。
ありがとう。
最後に長女から父の日恒例のマッサージ無料券を進呈され、15日はゆったりと日頃の疲れを取ることが出来ました。
感謝です。

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— posted by 越智邦明 at 05:18 pm  

2014/6/12

胃の不具合


春は桜の花咲く幸福な季節ですが、季節の変わり目ですから体調が変化しやすいです。江戸時代の貝原益軒の「養生訓」にも「季節の節目には天候の変動不順が著しく人間の体のバランスも崩れやすくなるし季節はずれのものは食べないように」との“教え”が書かれています。確かに春や秋に気管支喘息の発作が多くなります。では胃はどうでしょう?名古屋市立大の研究をみると胃潰瘍の発生には「季節性がある」とあり、3~5月に最も多いそうです。その原因でひとつにはピロリ菌がありますが、何回も書いてきたのでここでは省略します。ピロリ菌陰性潰瘍はまれです。
ここで述べたいのは「ストレス」です。サラリーマンの転勤や学生の入学と言った環境の変化によるストレスが問題です。いわゆる五月病も環境の変化が影響していますが、胃潰瘍の方が先に発症します。唯、ピロリ菌がいる場合といない場合を比べると、いない人はストレスを受けてもそんなに深い胃潰瘍は起こりにくいことも分かってきました。それ故、厚労省はピロリ除菌をとに角、勧めているのです。
最後にもう一つ。胃潰瘍は、鎮痛剤の飲み過ぎによる場合もありますので注意が必要です。
(追伸)
6月8日の愛媛新聞(第15面)に載ったが、家内が師匠、松本安也子先生について6/13よりヨーロッパへ琴の親善演奏会に出かける。(~6/22まで)。宮城道雄の世界を伝えるのが目的でパリやロンドンなど3都市で演奏する。毎日、練習を行った成果が出ることを祈る。
さて、その間は、娘とゆうちゃんが私の世話にやってくる。
それはそれで楽しい毎日の気がしている。

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— posted by 越智邦明 at 04:58 pm  

2014/6/9

宇和島一泊の旅


ゆうちゃんから「宇和島に泊まりに来て」と言われ続けていたので5/31~6/1で行ってきた。汽車で行ったが、改札口には娘の横で一生懸命私を捜すゆうちゃんが居た。
さて家に着くとオンプ君の息子、アル君の強烈な鳴き声の歓迎を受けた。夕食は娘の友人の米田さんのお父様が歓待して下さり、「一心」でおいしい料理、酒を楽しんだ。お父様はとてもお酒が強く、又、79才には見えぬ若々しく元気な方であった。途中から、お産で時間がかかった正大君や米田パパも加わり、賑やかな宴席となった。夜10時もとっくに回り、名残り惜しく散会となった。帰ってゆうちゃんと風呂に入ったものの、恒例の「昔話」は酒が回って出来なかったのは申し訳なかった。
翌日は菖蒲の咲き乱れる南楽園へ行った。ここで、今年退職し愛南町に住んでいる松江さんと娘ゆめちゃんが合流した。
久しぶりに元気な2人と会って旧交を温めた。ゆうちゃん、ゆめちゃん共に4才で、すぐ仲良く遊んでいた。楽しい時間はすぐに過ぎ去り、いよいよ帰る時間となった。娘にはゆうちゃんと共に、ホームで私を送らせた。ゆうちゃんがどういう反応を示したかは動画をお楽しみ下さい。
ゆうちゃん、また行くからね。

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— posted by 越智邦明 at 09:50 am  

2014/6/5

誕生日


今日、6月5日は私の61回目の誕生日である。
幼い頃から誕生日には母親がケーキを出してくれた。何才になっても嬉しいワクワク感がある。これは年を取っても変わらないようである。
当院では長期入院患者さんで、かつ高齢の方には、誕生日に手作りで首飾りをつくり、お祝いをしている。私とのツーショットも撮ってさしあげている。(3月10日号参照)。Link 認知症の方もこの日だけは笑顔となる。
さて誕生日を「生命の誕生」と捉えてみよう。奇しくも娘婿の正大君は産婦人科医として苦労を重ねている。夜中も平気で起きて行く。高齢出産も増え、異常分娩も多く、細心の注意が必要であり、ふと幾人の産婦が医師の苦労を理解しているだろうか?と考えることがある。無事に生まれた事は神様のすばらしい業(わざ)であるが同時に産婦人科医への感謝も忘れてはならないと思う。ちなみに正大君は深夜どんなに眠くても生まれてきた赤ちゃんと対面すると嬉しさがこみ上げて来ると言う。
さて、私は誕生日を機に1年間の予定を立てる。
「この1年は◯◯をしよう。◯◯へ行こう。」どれも実行してきた。
さて今年は何をしようかな?
最後に、ゆうちゃんへ。お祝いのお花とケーキありがとう。

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— posted by 越智邦明 at 04:28 pm  

2014/6/2

うつ病


うつ病は以前は女性に多い病気とされてきて、多くの文献に「男女比は1対2」と書かれています。
所が近年、男性の患者が増えてきて次第に男女差が縮んできています。
厚労省の患者調査(2011年)によると、現在の比率は1対1.6で、まだ女性が多いことに変わりはありませんが問題は年令との関係です。
             男  女
  15~24才     1対1.54
  25~34才     1対1.50
  35~44才     1対1.36
  45~54才     1対1.08
  55~64才     1対1.31
  65才~       1対2.52
面白いのは年を重ねると男女差が減って働き盛りでは、ほぼ同数になります。65才以上になると再び圧倒的に女性が増えます。
さて私も産業医をしていて、4~5月はメンタルヘルスに神経を使う季節ですが、男女差の変化を知っておくのは役に立ちます。
若者のうつも危険ですが、45~54才のうつ病患者数は20代と比べて男性で2倍、女性で1.3倍になります。
中年のうつ病が社会的にも問題になっており、心療内科だけではさばききれないのが実情です。『先生に話をきいてもらえない(3分間診療)』『薬を飲むと余計おかしくなった』等、国としても対策が急がれます。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

2014/5/29

日中韓の敵


政治の話ではありません。世界中の患者のうち、なんと60%が中国、日本、韓国に集中し、「東アジアの風土病」とまで呼ばれる病気があります。それは「胃がん」です。日中韓が力を合わせて闘うべき相手は胃がんなのです。現在、毎年10万人以上の日本人が胃がんにかかっており、そのうち5万人が命を奪われています。
まだ胃がんとの戦争は終わっていません。米国では胃がんは非常にまれな病気で地域差があります。東アジアで胃がんが多いのは、毒性の強いピロリ菌(東アジア型)に感染していることが大きな原因です。欧米人が感染している欧米型は毒性が高くありません。
以前に話したように東アジアのは、毒性の強いcag遺伝子を持っています。日本の中でも胃がんの少ない沖縄県は欧米型です。
それ故、厚労省が勧めるピロリ除菌は大変意義のあることです。
さてピロリ菌の他に日中韓の国民が気をつけるべきものは「塩分」です。
ピロリ菌に感染していない人は、塩分をたくさん摂っても高血圧にこそなれ胃がんにはなりません。しかしピロリ菌感染者が高塩分食を摂ると3倍も胃がんになりやすいことも判明しています。
「ピロリ菌」と「塩分の摂りすぎ」を排除して胃がんとの戦争に終結をもたらしましょう。

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— posted by 越智邦明 at 04:04 pm  

2014/5/26

雑談


以前にブログで私の愛読書「ゴルゴ13」について書いたことがあった。1968年11月より小学館「ビッグコミック」誌で連載を開始しこの45年間、休載は1度もない。麻生太郎氏も大ファンで、九州の自宅に全巻そろえている話もした。すると5月19日の日経新聞春秋には「こち亀」を取り上げていた。これは私の次男の愛読書である。正式名は「こちら葛飾区亀有公園前派出所」である。「こち亀」も休載は1度もない。週刊少年ジャンプの連載は38年続いている。ゴルゴ13の「さいとう・たかを」氏、こち亀の「秋本治」氏には、ただただ恐れ入る。健康はもちろんだが読者に飽きられない創意工夫にも感心する。
さて日経のお話は続きがある。「こち亀」の「派出所」の話である。現在、「派出所」は日本に1つもない。警察庁が「交番」に改めたからである。交番となった派出所は海外からも注目されKOBANとしてシンガポールやインドネシアに広がっている。サッカーのワールドカップ開催を控えるブラジルもKOBANの輸入国である。これまで12の州に交番をつくった。KOBANのおかげで殺人事件などが激減し、近く27すべての州に広げる計画だと言う。
さて「警備の輸出」と考えると、4月にミャンマー大使として赴任した私の愛光学園の同級生、樋口建史(たてし)君のことを話したい。
日経の5月12日号に「旬の時の人」で取り上げられた。彼は警視総監まで登りつめ、退任後、帰松して会った時に「もう余生を楽しむよ」と笑っていたのだが今回、官邸のお呼びでアジア最後のフロンティア、ミャンマーへ大使として行くことになった。本人も突然で大変驚いていた。
ただ彼は警察官僚時代に携帯電話の本人確認、防犯カメラを使った捜査等、今の警察に欠かせない仕組みをいくつも生み出した。
後進国は特に信号をはじめ道路事情が極端に悪い。日本で培ったノウハウをきっとミャンマーに活かしてくれると大いに期待している。

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— posted by 越智邦明 at 12:34 pm  

2014/5/22

富山の旅


5月の3~4日の連休で富山へ行ってきました。
3日早朝、事務長と羽田へ飛んだ。羽田で長男(築地のガンセンター勤務)と落ち合い、富山行きの飛行機へ乗り換え。「富山きときと空港」には次男(富山大学大学院)が車で迎えに来てくれていた。
まずは砺波のチューリップフェアを訪れた。会場に咲き誇る600品種250万本のチューリップを見ると自然と笑顔があふれます。チューリップの花言葉は「博愛」「思いやり」「永遠の愛」です。会場にはオランダ風花壇、水上花壇、愛のパワースポット花壇など見所満載でした。
次に向かったのはスターバックス。通の人はこの富山環水公園店が世界一綺麗と噂されていることを知っています。当日も京都、大阪等、他県のナンバーの車が数多く押し寄せ満杯。外は芝生と美しい運河公園がコラボして素晴らしい。
翌日、4日は富山では名門の呉羽カントリークラブでゴルフを楽しみました。36ホールあり、我々は立山コースで思う存分プレーが出来ました。なかなか距離のあるタフなコースで、One Wayで回ったため後半はバテバテでした。
その後、来た道を空路帰り、楽しい2日間はあっという間に終わりました。
少しでも動画で楽しんでいただいたら幸いです。
当日は黄砂の影響で見えにくかったが、立山連峰がまだしっかり雪をかぶっているのがお分かりだと思います。

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— posted by 越智邦明 at 04:58 pm  

2014/5/19

糖尿病新薬


最近次々と発表されている糖尿病新薬「SGLT2阻害薬」について患者さんから問い合わせが来るようになったので解説したい。
これは従来と全く違うメカニズムの糖尿病薬である。腎ぞうの糸球体でろ過されたブドウ糖は本来、尿細管でSGLT2とSGLT1によって再吸収され体内に戻りますが、この薬はこの再吸収に主に働いているSGLT2を阻害することで糖を再吸収せず積極的に尿中に排出させ血糖値を下げる全く新しいものです。
よく皆さんは健診で「尿に糖が出ている」と指摘され困ったことがあろうかと思いますが、この薬は食後血糖160~180㎎/㎗といった高血糖になる前のもっと血糖が低い段階から糖を尿中に出すのです。
では、(1)メリットは・・・単独使用では血糖が過剰に下がる「低血糖」が起きにくい薬です。脂肪が分解されやすくなり体重も2~3kg落ちます。
(2)デメリットは・・・①糖が尿に出る時に体の水も引かれて出るため、こまめに水を取らないと脱水になる危険があり真夏は要注意②尿路・性器感染症が女性で特に起きやすい③やせ形の方や高齢者ではエネルギー不足で脂肪を燃焼させるのでは足らず、筋肉を減らす恐れ④腎機能の悪い方は効果が少ない⑤尿量が増える⑥薬をやめると体重が元に戻りやすい-の6つです。
減量だけを目的に飛びつくのは危険です。その他、糖質制限食の人は低血糖の可能性があります。大酒を飲んだ時も低血糖に要注意です。
お勧めの人は、60才以下の肥満体形で2型糖尿病の方です。また、さっき話した猛暑の日は注意する等、患者さん自身も対処することが必要な薬です。この薬が福音となるように慎重に使用したいと思っています。

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(追伸)
松山市堀之内の城山公園の堀に、白鳥のヒナが5羽生まれた話は実にほほえましい。
5月7日に通行人が見つけてから10日経ったが多くの見物人に囲まれ、親鳥に懸命について泳ぐ姿にみんな「かわいい」と感嘆。カメやコイと共に松山市民の癒しとなっています。

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— posted by 越智邦明 at 05:41 pm  

2014/5/15

日本の赤ちゃん


日本では医学の進歩もあって「低出生体重児」が急増しています。生まれた赤ちゃんの体重が小さくなってきています。2500g未満が10数%まで増えてきているのです。
世界で減っている「二分脊椎」という脊椎が閉じない奇形も日本では逆に増えています。また「軽度発達障害児」も増えている。以前は子育てのせいと言われていましたが、環境要因の可能性が分かってきました。こうした“赤ちゃんの危機”を招いているひとつが妊娠中の過度のダイエット。つまり妊娠中の「低栄養」が指摘されています。とりわけ「葉酸」の摂取量が下がり、血中濃度が減ってきています。葉酸が減ると二分脊椎が増えることはわかっています。
また妊娠中の低栄養が子供が大きくなってから、肥満を生むこともわかってきました。お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが飢餓状態にさらされると、赤ちゃんは少ない栄養でも生き延びられるように「倹約遺伝子」のスイッチをオンにします。すると生後、少しのエネルギーで太ってしまうわけです。
肥満や糖尿病は、お腹の中にいる頃から始まっています。胎児期に低栄養にさらすのは奇形だけでなく成人病の原因を作るのです。
現在世界60ヵ国で穀物やパンに「葉酸」を添加するよう強制する法律が定められていますが、日本は無対策です。
妊婦さんは葉酸を含む栄養をしっかり胃に入れることが、赤ちゃんを救うことになります。元気な赤ちゃんを生んで下さい。

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(追伸)
ネットで話題中の企業の広告動画。ちょうど5月11日に日経新聞春秋に載った内容を紹介しよう。
職業は「現場総監督」。原則1日24時間勤務で、年間365日。休暇はなし。サラリー?無給です。やってみる気はありますか?
この就活の面接に応募する人はあるのだろうか?
答えは「母」という職業であった。「母の日」に載せた日経新聞の憎い計らいである。少し引用してみよう。
奉仕は無償で無限。けれども総監督を引退する年令は意外に早く来る。子は10代後半には母から自立し、母は子離れをして再び自分自身と向き合わねばならない。どちらも甘えと期待を絶つ、ほんの少しの勇気と葛藤が要る。「お母さん、ありがとう」と素直に言えるだろうか?
読者の皆さん、いかがですか?

— posted by 越智邦明 at 02:40 pm  

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