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2014/10/14

焼き芋


秋の味覚のひとつ「焼き芋」。高齢の方は戦中、戦後の食糧難の時に食べた懐かしい食べ物です。この焼き芋は医学的にはいかがなものだろうか?
まず栄養成分のツートップがビタミンCと食物繊維。この2つがアンチエイジングに大きな効果をもたらす。サツマイモは他のイモ類に比べて抗酸化物質である、ビタミンCの含有量が多い。しかも熱に強いという特性がある。
一般的に野菜のビタミンCは加熱すると大幅に失われるが、焼き芋は糊化(こか)したでんぷんがビタミンCを包み保護してくれるので損失が少ないのです。次に食物繊維は腸の調子を整え免疫機能をアップしてくれます。ひいては老化防止につながります。
その他、焼き芋に含まれる「カルシウム」はストレスを抑え精神安定につながり「カリウム」は塩分を排出する効果があり、高血圧の人にはうってつけです。更に抗酸化物質であるポリフェノールが多く含まれています。
最後に「クロロゲン酸」。コーヒーにも含まれているポリフェノールで焼き芋100g当たりの含量はコーヒー一杯分のそれに相当します。コーヒー通のあなた。今日からコーヒーのお供は焼き芋に決まりですね。さて焼き芋の甘さが苦手な人はポテトサラダにするのもOKです。
是非、秋は焼き芋を召し上がって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 10:22 am  

2014/10/9

オキシトシン


私が医学生の頃、オキシトシンと呼ぶホルモンは「出産時に子宮を収縮させ、授乳時に乳腺を収縮させて乳を出しやすくするもの」と教わった。ところが近年、このオキシトシンの多彩な機能の研究が進められている。
親子や友人、恋人などと一緒に食事をする際に体内でオキシトシンの量が増えることが分かった。不安な時に出るストレスホルモン「コルチゾール」の発生も抑えるようである。授乳時には乳腺を収縮させるだけでなく、母と子の脳内で相互のつながりを記憶にとどめる役割を持つことも確かめられた。自治医大の尾仲達央教授によると、「オキシトシンを促す行動や活動を意識すれば日々健やかに過ごせる可能性が高まるのではないか」と指摘する。親密な関係であれば、やはり肌と肌の触れ合いが最も代表的な方法である。父と子もじかに触れ合えばオキシトシンが作られつながりが深められる。逆に虐待を受けた子供は一般にオキシトシンを作る量が少ないことも分かってきた。更に面白いのはペットとの触れ合い。生き物と接する触覚はオキシトシンを作り出す刺激になる。バラやかんきつ系の香りをかいだ時や湯船につかったらオキシトシンが出るという報告もある。一方、医学研究として東大や金沢大ではオキシトシンを自閉症治療に生かす試みをしている。オキシトシンの粉末を溶かした点鼻スプレーを、発作的に大暴れする男子生徒に投与すると、自制できるようになったとか、かんしゃく持ちの女子生徒の情緒が安定し自傷行為が減ったとある。
金沢大の東田特任教授は「オキシトシンは、さび付いた歯車を回るようにする潤滑油のようだ」と例えています。
オキシトシンが安心、安全な社会の育成に大いに関わりそうです。

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(追伸)
7日(火)、恒例の松山祭り最終日。
台風18号も去って台風一過の秋晴れですばらしい晴天となった。有難いことに今年も四角さんのおみこしに載せていただいた。神様からのプレゼントと感謝しています。
尚、入院患者さんも何人か写真に納まりました。無病息災を祈って。

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— posted by 越智邦明 at 01:00 pm  

2014/10/6

ポポー


みなさんは「ポポー」いう果物を知っていますか?北米原産のバンレイシ科の果物で外観がアケビに似ていて果肉、種が柿に似ているのでアケビガキとも呼ばれています。日本には明治に入ってきました。欠点は収穫後の熟変が早く、すぐに表面が黒ずみ、熟すのも早いため流通が難しく地産地消型の果物です。
愛媛県大洲市長浜町櫛生は「日本一のポポーの里・櫛生」を目指しています。今回、娘に話した所、長浜へ買いに行って送ってくれました。ねっとりとして甘くトロピカルフルーツを思わせます。
さて9月末にひょっこりやって来た、ゆうちゃん。かけっこで1番になるのが夢だそうです。
最後に散歩中の一言。(8月25日号に書きましたが)「またお城に登って双眼鏡で見ようよ」と言うと「うん。うん。また見た~い。あの時は、きさいや広場とパパの病院も見えたからね。」「ゆうちゃんの目はすごくいいからね」「ちがうよ。あの時は双眼鏡さんが大サービスをしてくれたからだよ。」「・・・・」。

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— posted by 越智邦明 at 07:58 am  

2014/10/2

杉原輝雄プロ


かつて日本プロゴルフ界のドンと呼ばれた杉原輝雄氏。
60才で前立腺ガンの告知を受けたが手術でなく薬での治療を選択し、生涯現役を宣言。2006年の「つるやオープン」では68才で最年長予選通過記録を、2010年の「中日クラウンズ」では同一大会51年連続出場という世界記録を樹立しました。この杉原プロと私は20年前にサンセットGCで一緒にプレーしたことがあるのです。(プライベート)。
その時に感じたのは①高くない私より更に身長が低いこと。(162cm)②カートに乗らないこと。③フェアウェイを歩きながらティー等のゴミを拾ってポケットに入れていること。④私より長いドライバーで(当然ですが)すごい飛距離を出していたことです。
杉原プロの生い立ちを調べてみました。貧乏で進学も出来なかったため、小学校高学年からゴルフ場でアルバイトをしながらプロゴルファーを目指したのです。昭和33年、20才でプロ試験に合格。「自分は体が小さいので」と、ずいぶん無理なトレーニングをして身体はボロボロになったと言います。そんな杉原氏は「人は皆、生まれた時から人間のプロになるという使命を担っている。そしてそのためには特別な修業ではなくて『感謝』や『思いやり』などの心を持つことが大事だ」と語っています。
プロゴルファーとしての働き場があることに常に感謝を忘れなかった杉原氏。どんな取材にも丁寧に応え、グリーンの芝生を手入れする裏方の苦労にも敬意を払い、感謝の気持ちを持っていたといいます。
私も自らを活かす場があることへの感謝を忘れずに懸命に働きたいと思います。尚、下の写真は唯一、杉原氏とのツーショットで私の大事な宝物であります。
尚、杉原氏は2011年12月28日、74才でこの世を去りました。

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— posted by 越智邦明 at 04:27 pm  

2014/9/29

レモン塩


今、健康に敏感な女性の間で大流行なレモン塩。輪切りにしたレモンを1~2週間漬けたもの。
レモンから出てきた水分、塩、レモン果実。すべて料理に利用できる。スープ、おかゆ、肉のタレ等、応用範囲は実に幅広い。腸が弱い人や高血圧、夏バテ気味の人にお勧めである。レモンを塩で発酵させているのでキムチや味噌、ヨーグルトなどの発酵食品と同様に整腸作用があります。レモンの水分が加わるので塩をそのまま料理に使うより減塩になります。更にレモンのクエン酸が疲労回復に役立ちます。
是非、トライして下さい。

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(追伸)
母校、東医歯大の話。
来月、10日に「スポーツサイエンス機構」を設立しスポーツ医歯学、スポーツ科学を融合した国内初の拠点大学を目指すことになりました。教授として博士(体育学)の学位を有する、室伏広治氏を招へいしました。(下絵)。
東京オリンピックへ向けてオフィシャルホスピタルを目指してトップアスリートへの診療支援を展開することになります。
母校のためにもまた、アスリート界のためにも発展を願っています。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

2014/9/25

脳卒中


脳卒中は脳梗塞、クモ膜下出血、脳出血の総称である。何となく冬の病気のイメージがあるが、実は夏の方が発症者が多い。夏は発汗して脱水します。脳卒中を起こす人はベースに高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある。概してお酒が好きで夏になるとビールを飲みたがる。ビールのアルコールにも脱水作用があってより脱水が進みます。脱水によって血液が濃縮され血栓ができるため脳梗塞を起こしやすくなるのです。日本脳卒中協会が5月末の1週間を「脳卒中週間」として注意を呼びかけるのは、脳梗塞を起こしやすい夏前に啓蒙するためです。
脳出血そのものは夏は発症リスクが下がるのですが、夏に危ない脳梗塞をステップに発症することもあります。
「がんばれゴエモン」シリーズで知られる漫画家・帯ひろ志さんは7年前の夏、8月31日に脳梗塞を起こしていた。この時に糖尿病も発覚した。そして今年8月3日に脳幹出血で亡くなりました。(享年54)。何とか予防したい脳卒中です。

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(追伸)
最近のゆうちゃん。
敬老の日の「ばあば」の絵。まつ毛が強調され口も大きく元気一杯な感じですね。
娘の友人米田さんにお世話になり、ぶどう狩り。おいしいぶどうを送ってくれました。
だんだん顔が大人びて来たと感じるのは私だけでしょうか?

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— posted by 越智邦明 at 05:54 pm  

2014/9/22

糖尿病勉強会


9月14~15日の連休を利用して、東京へ糖尿病の勉強会に出かけた。
宿はホテルオークラであった。ここでオークラの話を少ししてみたい。1962年開業の日本を代表するホテルであるが、本館は老朽化で38階建て高層棟への建て替えが決まっている。このメーンロビーがなくなるのを残念がるのは日本人ばかりではない。メーンロビーにあるそろばん玉のように連なる「切子玉形」の照明は古墳時代の首飾りを模した作りである。「切子玉」は古墳時代の飾玉の一つである。水晶の結晶柱を上下の側から切り落とし磨きあげたものである。オークラを手がけたのは東宮御所や帝国劇場を手がけた建築家の谷口吉郎である。新しいオークラの本館は谷口氏の息子で建築家として数々の受賞歴がある吉生氏が加わる。父を超える和の空間を期待しています。来年から工事が始まって東京オリンピックの前年、2019年完成との事。大いに外国人の「おもてなし」に役立って欲しい。
さて肝心の糖尿病勉強会について話します。
Part1.は糖尿病と運動療法の関係について。
本当に運動療法は病気の改善に役に立っているのか?
また運動はいつすれば良いのか?昼食後か夕食後か等、活発な議論がなされた。総司会の清野先生は結論としてやはり「運動なくしては糖尿病の治療はあり得ない」と、話された。
Part2.は高齢者の糖尿病について。
何といっても低血糖の回避が最大の問題であり、今後、急速に進む超高齢化社会に対応できるよう研修を積まないといけないと言われた。
最後にDPPⅣ阻害薬とSGLT2阻害薬の最新の話題や今後の展開について活発な議論がなされた。副作用の低い面からDPPⅣ阻害薬は、専門外の医師にも数多く使われていてまだまだ市場は伸びると言われていた。
勉強のあと、築地のがんセンターに勤めている長男と1次会、2次会をやり、近況を詳しく聞くことが出来た。国立がん研究センターの乳癌の年間症例数は何と600例。そのため1日に2~3人のopeをこなしていること、また毎日5時に起きる習慣が身についた話等、興味深く聞くことが出来、有意義な東京出張でありました。

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— posted by 越智邦明 at 02:42 pm  

2014/9/18

満月


9月8日号に満月のことを書きました。ゆうちゃんに尋ねると、月にはやはりうさぎが住んでいるそうです。
さて、月に関する和歌や格言は実に多いです。

①この世をば わが世とぞ思う望月の かけたることもなしと思へば
有名な藤原道長の句です。天皇の外戚としての地位を固め他のライバルは消え、満月のように完璧になった自分の治世は終わることがないという自信の句です。しかし道長は最後、糖尿病が原因で亡くなってしまいます。余談ですが第15回国際糖尿病会議の記念切手に採用されています。

②おごるなよ 丸い月夜も ただ一夜
これは相場格言で有名な句です。相場の読みが当たり順調に利益が出ているときほど、ついつい舞い上がってしまいます。そしてついに失敗につながってしまいます。順調な時ほど慎重に行動しろという戒めの言葉です。

①、②共に満月は美しいものの翌日からは欠けていく悲しい宿命を詠った句として有名です。
みなさんも満月を目指して努力して欲しいですが、どうか到達しても有頂点にならないように御注意下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:07 pm  

2014/9/16

虫よけスプレー


デング熱の勢いがひどい。代々木公園に続き9月7日には新宿御苑も閉鎖した。犯人は「ヒトスジシマカ」だ。やぶ蚊の一種で感染者を刺したあと別の人間を刺して感染を拡大させる。
さて、よく我々が蚊に刺されやすい人、そうでない人という話をする。私の恩師で熱帯医学の権威、藤田紘一郎先生(東医歯大名誉教授)の論文を読んでみた。「蚊は人間の体が発するものに引き寄せられて血を吸いにくる。一番の目印が口から吐く炭酸ガスと汗。スポーツ選手がその例。あとお酒を飲んでいる人。蚊がアルコールに含まれるアセトアルデヒドのにおいに集まるからです。男女差はありません。」次に別の研究で蚊はO型を刺しやすくA型の2倍。B型はA型の1.5倍とあるがよく分っていないようです。
さてヒトスジシマカの産卵が活発化する9~10月。デング熱はこれからが危険。藤田先生曰く。①蚊は酸性の血を好むので肉をよく食べる人は注意。アルカリ性にするために野菜を多く摂ること。②最も蚊を引き寄せる服は白と黒のボーダー柄。次に黒。だから白いシャツがおすすめ。③日本酒、ビール、ワインは血液が酸性になるので危険。焼酎やウィスキーがベター。④虫よけがないときはオロナイン等の軟膏でも大丈夫。蚊が嫌がるにおいとか。
さてここからは虫よけスプレーの話です。
国立感染症研究所は「ディート」(虫よけ化合物)を配合した忌避剤を推奨している。
このディートの濃度だが日本では薬事法で12%までしか認められていません。今回の代々木公園の蚊は5%でも近寄ってこないそうです。購入前にパッケージの成分表示をよく読んで下さい。ちなみに私が散歩前に使っているのは7%でした。注意はディートの効果が雨や汗で流れるので2-3時間置きにスプレーして下さい。
一方、東南アジアなどデング熱の流行地帯に出かける人は何と言っても「蚊取り線香」。熱帯の蚊は日本のようにヤワではなく、虫よけスプレーでは太刀打ちできない。
日本伝統の蚊取り線香の成分はディートより強力な天然ピレスロイド。海外でも愛好者が多くフィリピンやタイでも大人気。販売実績130年の伝統はあなどれません。
何とかこのパンデミックを乗り切って下さい。
ちなみに致死率で比較するとエボラ出血熱の方が怖いですが、世界的に見れば感染者数も死亡者数も圧倒的にデング熱の方が多いです。

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— posted by 越智邦明 at 05:17 pm  

2014/9/11

カルピス


7月24日号でモンゴルについて書きました。
「モンゴル」でちょっとした小話を述べます。
発売から95年という超ロングセラー「カルピス」(カルピス(㈱))の販売が好評です。このカルピスのルーツは創業者、三島海雲の感動体験にあります。1908年に内モンゴルを訪れた際、三島氏は長旅で体調を崩しました。しかし現地で振る舞われた発酵乳(酸乳)を飲み元気になったのです。この体験にいたく感動し「自然の力の活用」を是非日本でもと考え、帰国後に乳酸菌を応用した商品開発に着手。試行錯誤の末、1919年7月7日、日本初の乳酸菌飲料「カルピス」が誕生しました。戦前、戦中を経て戦後にブレーク。「薄めて飲む」感覚は私も今でも懐かしく想い出します。しかし80年代後半に自販機が増加し、「薄めて飲む」特徴が不利に働き激減しました。
しかし91年2月に薄めないで飲むストレートタイプの「カルピスウォーター」が大ヒットしました。2009年からはカルピスは生乳と乳酸菌でつくる「乳酸菌飲料」であることを改めて訴求し2012年には「ピースボトル」を採用して頑張っています。

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— posted by 越智邦明 at 12:28 pm  

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