原作は児童文学者、大川悦生(98年没)著「おかあさんの木」(ポプラ社刊行)。発表から40年を経ましたがその間、幾度も小学校中学年から高学年の国語教科書に採用されてきたお話です。
戦争で7人の息子が次々と兵隊にとられ、その度に桐の木を植えて息子たちの無事を祈る母の姿を描いたこの作品は母子の愛、戦争がもたらす悲しみ、そしてそれ以上にいつの時代にも通じる母と子の情愛がそこにあります。
主演の鈴木京香さん。私もファンですがラブストーリーでの名演技から一転。25年余りの女優人生で節目の役に挑んでいます。監督は磯村一路。戦後70年という節目に当たる2015年。時あたかも、安保法制が国民の関心、注目を集めている。憲法9条は果たしてどうなるのか?徴兵制復活にはならないのか?識者達は次々と不安な懸念の声をあげている。
すべての子供を戦争に奪われたおかあさん(鈴木京香)の愛が観客の頬を熱く濡らすこと必至のこの映画。
私の今は亡き父親の兄弟も何人も戦地で死んだ。おばあさんは泣きながら下関まで遺骨を受け取りに行った話を幼少の時に聞かされた。心がしめつけられたのを覚えている。
反戦平和を訴える一方、子供を片時も忘れない母親の情を届けるこの映画。公開は6月6日(土)です。是非、ハンカチを持って劇場に足を運んで下さい。