Created in 0.0220 sec.
 
越智クリニック
 
T:0240 Y:1609 Total:2885220 Online:45
カレンダー
<< 2024.9 >>
SMTWTFS
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
 
2015/6/11

糖尿病と体重


糖尿病というとみなさん、血糖手帳をにらめっこして、いかに血糖を下げるかのみ腐心していませんか?今回私はもっと「体重を増加させない」ことに注意を払うべきだと主張したいと思います。
「体重が増える=肥満」になるとインスリンの作用が阻害され血糖が上昇してしまいます。また内臓脂肪が蓄積されて動脈硬化を招き心筋梗塞、脳梗塞などの合併症の発症リスクが高まります。
糖尿病のクスリの中には低血糖になりやすいクスリも多く、体はそうはさせまいと食欲を増やして結局、体重が増えます。そうするとますますインスリンの効きが悪くなって血糖値が増えるという悪循環に陥ります。
かつて米国で行われた「アコード試験」ではHbA1cを厳格に6.0以下を目指したため死亡率が22%も増えてしまい途中で試験が中断されました。
患者の20%近くが体重増加を起こしさまざまな合併症を起こしました。つまり糖尿病の治療はいかに血糖を管理しながら「体重」を増やさないかが重要となります。HbA1cが9→7%になっても体重が+4kgでは逆効果になるケースがあります。きっと今後の糖尿病治療は「体重が増えない=低血糖を起こさない」治療の方が重視されると私は思います。
「体重の管理」が長生きにつながると考えています。

img431


(追伸)
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。
20年経った今、風化させないためもあって、兵庫県保険医協会が主体となって一冊の本が出来上がった。『巨大災害と医療・社会保障を考える』(クリエイツかもがわ発行・1800円)。
その本の表紙写真に何と私が載っている。これは、当時、私が当院のナース、ヘルパーを連れて3人で急遽、愛媛県保険医協会の一員として西宮へ飛んでお手伝いをした時の1コマである。2枚の写真は同伴者と、西宮の体育館に避難した被災者の方々です。
その時の記憶が一気に蘇った。ドキュメントとして残すことはとても大切であると、改めて教えられました。
興味のある方は御一読下さい。

image0-001

image1-001

img477

img478


— posted by 越智邦明 at 05:09 pm  

2015/6/8

手指化膿性腱鞘炎(咬創)


中年女性が飼い犬に昨日両手、前腕を咬まれたが今日、夕方になってズキズキすると来院。
3~4ヶ所咬まれているが既に感染が始まっていた。当院でも実に多くの動物咬傷がやってくる。中には酔っぱらった友人に咬まれたという「人咬創」もある。タイトルの炎症で大事なのは病原菌が屈筋腱鞘に侵入し、早期に適切な治療が行われれば後遺症もなく治ゆするが、中途半端な治療だと腱鞘を破壊し腱のゆ着を惹起して重大な機能障害を生じる。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。
図のように母指と小指に発生した炎症は連続性があるため手関節部まで波及しやすい。母指から小指につながる膿瘍を馬蹄型膿瘍と言います。
一方、示指から環指までの腱鞘は他の腱鞘に連続していないので感染は指にとどまることが多い。
詳しい治療は割愛するが、患者も医師も初期治療において軽視しがちで病気が進行して重大な機能障害を来すことも少なくありません。ケースによって抗生剤の投与はもちろん創部の早期切開、洗浄、排膿が肝心です。
統計的には動物咬創は犬が80~90%と最も多いが犬より猫が重症化しやすいとあります。いくら愛犬でも咬まれたら要注意です。

img455

(追伸)
5月31日の祖母の米寿の会のためにやってきたゆうちゃん。
だんだん身長も伸び、また仕草が女性らしくなってきました。快活に成長しています。
それとホームページのトップの写真は霧島連山で、えびの高原の「雲海」です。
海に見えたのは私だけでしょうか?大北君のナイスショットです。

DSC00323

DCF00280

DSC04344

DSC04346


— posted by 越智邦明 at 10:52 am  

2015/6/4

米寿


私の実母が今年の3月25日で満88才となった。
そこで私が音頭を取り、5月31日(日)に米寿のお祝いを行った。最初は嫌がっていた母親だったが、「子供達だけでなら」と小宴を行うことで納得した。子供は兄と私、妹の3人であるが孫や、ひ孫を含めて総勢23名となった。場所は「ふなや」で行った。父親は平成19年1月11日に83才で亡くなって米寿をしてやれなかった。人生には還暦(60才)、米寿(88才)、卒寿(90才)、白寿(99才)等、色々なお祝い事があるが、平均寿命を考えていくと、やはり米寿は実現性とその価値が一番マッチして嬉しい気がする。特に女性の平均寿命が伸び、世界でも一、二を争う日本の長寿社会。「認知のない」長寿を患者さんはみんな切望して日々、診察に通って来ている。
さて米寿の「米」は八十八から出来ていることから米寿となり「米の祝い」とも言われます。黄頭布、黄色のちゃんちゃんこを着させて、これからも元気で過ごせることを願ってのお祝いです。黄は天の太陽、地にあっては沃土、黄金を象徴して自然の恵みの色です。
さて会は司会を私が務めました。兄貴のあいさつに続いて母親のあいさつ。3枚の便箋にしたためた子育ての想いを時間をかけて朗読してくれた。
子供も孫もひ孫も真剣に聞き入った。
続いて私の長男、友洋君の乾杯の音頭。その前に彼からサプライズプレゼントの披露。「おちちかえ」の頭文字を取った詩が画面一杯に描かれた素敵な額であった。次に事務長石山君からのお花のプレゼントの贈呈を娘、万季が行った。乾杯のあと楽しい食事会が始まった。宴もたけなわになって、各自1分のスピーチを行った。みんな今までの人生を振り返り、ばあちゃんへの感謝の想いを述べ、母親はそのたびに涙ぐんだ。宴も進んだある時、会場が真っ暗になってサプライズのケーキプレゼント。と同時に母親には、ちゃんちゃんこが着せられ、みんなを囲んで写真撮影となった。子供達による「ハッピーバースディー」の唄も楽しかった。
宴の2時間もあっという間に終わり、最後は藤井進午君の万歳三唱で幕を閉じた。
母親にとっても、とても感慨深い記念になった米寿の会でした。
ますますの長寿を期待しています。

DSC04307

DSC04310

DSC04311

DSC04315

DSC04313

DSC04319

DSC04317

DSC04320

DSC04327

DSC04326

DSC04328

DSC04336


— posted by 越智邦明 at 05:59 pm  

2015/6/1

頚肩腕症候群


私は産業医をしているので、今回はこの病気を取り上げました。
①首や肩の凝りがひどく「凝り」というより「痛い」
②疲れやすく休日は何も活動できないほどぐったりしている。
①あるいは①と②の両方に該当するなら間違いありません。それらが原因で仕事の集中力が低下してミスを犯したりしていませんか?さらに放置すると仕事への悪影響だけでなく首、肩以外にも頭痛、手のしびれ、背筋痛、腰痛、慢性の疼痛などさまざまな症状が出てきます。全身が痛む「線維筋痛症」の中にもこれが原因となっている人がかなり居そうです。
「頚肩腕症候群」は元来、整形外科の分野で首、肩、腕に症状のある場合を広い意味で提えた言葉でした。昭和40年ごろにキーパンチャーや電話交換手の「キーパンチャー病」として知られ、最近ではパソコン作業など上肢作業によって首、肩、腕に症状が出る場合を「頚肩腕症候群」として扱うようになりました。上肢作業による肉体的疲労と脳の慢性的な神経疲労の2つが要因となっています。特に神経疲労は、その度合いが分かりにくい。そのため「まだ頑張れる」となってしまうのです。
厄介なことにレントゲン等々の画像診断では発見できない。
予防、治療の基本は仕事量、密度の調整と十分な睡眠、休養。休日はゆっくり休みパソコン作業は60分したら15分休む。
症状によっては消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬を用い、当院では更に、マッサージ、鍼、リハビリを行っています。
凝りを甘く見てはいけません。

img452

img453


— posted by 越智邦明 at 04:49 pm  

2015/5/28

口内炎


外来患者を診ていて、ありふれているが多い病気のひとつに「口内炎」がある。教科書的には局所原因として、誤って咬んで傷つけた、義歯、歯石、食物中の異物等、全身的原因としてウィルス感染症、免疫力低下、ビタミン欠乏、抗癌治療、薬物アレルギーなどがあるが、原因不明のものも多い。ベーチェット病の部分症状としても有名である。
さて、実際の治療としては、ステロイド軟膏の塗布やビタミン剤(B群)の投与、うがい液で1~2週間以内には治ゆするが、難治性、再発性の人も多い。
そこで漢方薬の登場となる。築地の国立がん研究センターの上園保仁分野長の話から引用してみたい。がんセンターだからもちろん抗がん剤の副作用によるものが多いようだが、上園先生は半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)を勧める。これは半夏、黄連、黄芩、人参、甘草等7つの生薬からなります。なぜ効果があるのか?これは黄連や黄芩に含まれるベルベリンという化学物質に粘膜の組織修復を高める働きのあること、そして他の生薬との複合作用による全身状態の改善と相まって口内炎の早期治療に役立つそうです。さらにこれを水で溶かし、それで1日3回うがいをするだけでも口内炎に効く、とあります。
近いうちに半夏瀉心湯が口内炎の第1選択薬として認められるのではないかと上園先生は期待されています。
私も難治性の方に是非、試してみたいと思っています。もちろんこの漢方は「口内炎」に保険適用されています。

img451


— posted by 越智邦明 at 05:29 pm  

2015/5/25

おかあさんの木


東映映画の「おかあさんの木」の試写会に行ってきた。
原作は児童文学者、大川悦生(98年没)著「おかあさんの木」(ポプラ社刊行)。発表から40年を経ましたがその間、幾度も小学校中学年から高学年の国語教科書に採用されてきたお話です。
戦争で7人の息子が次々と兵隊にとられ、その度に桐の木を植えて息子たちの無事を祈る母の姿を描いたこの作品は母子の愛、戦争がもたらす悲しみ、そしてそれ以上にいつの時代にも通じる母と子の情愛がそこにあります。
主演の鈴木京香さん。私もファンですがラブストーリーでの名演技から一転。25年余りの女優人生で節目の役に挑んでいます。監督は磯村一路。戦後70年という節目に当たる2015年。時あたかも、安保法制が国民の関心、注目を集めている。憲法9条は果たしてどうなるのか?徴兵制復活にはならないのか?識者達は次々と不安な懸念の声をあげている。
すべての子供を戦争に奪われたおかあさん(鈴木京香)の愛が観客の頬を熱く濡らすこと必至のこの映画。
私の今は亡き父親の兄弟も何人も戦地で死んだ。おばあさんは泣きながら下関まで遺骨を受け取りに行った話を幼少の時に聞かされた。心がしめつけられたのを覚えている。
反戦平和を訴える一方、子供を片時も忘れない母親の情を届けるこの映画。公開は6月6日(土)です。是非、ハンカチを持って劇場に足を運んで下さい。

img472


— posted by 越智邦明 at 03:48 pm  

2015/5/21

桐一葉


「桐一葉落ちて天下の秋を知る」
「淮南子(えなんじ)」説山訓よりの出典です。
御存知の方も多いと思いますが解説しますと、落葉の早い青桐の葉が1枚落ちるのを見て秋の訪れを察するようにわずかな前兆を見て、その後起こるであろう大事をいち早く察知することを言います。
英語でも「A straw shows which way the wind blows.」(1本の麦わらを見れば風向きがわかる)と古今東西、使われている故事です。
さてこの故事の意味する所は、我々医師にとってもとても重要で患者さんの微妙な訴えから潜んでいる大病を発見しなければなりません。いかにしてこの「直観力」を身に付けるか?
ある書物に「直観力」を磨くためには知的な情報収集や経験の蓄積に加えて「朝起き」が大事とありました。早く起きての早朝時間の活用が一番大事なのです。
早朝の時間帯は自分だけの時間を確保できると共に直観力を高めることが出来るそうです。私も(前に書きましたが)am6時40分には仕事に入っています。「朝を制するものは1日を制する」と私は大成した先輩医師や教授から教わりました。
参考にして下さい。

img429

(追伸)
最近のゆうちゃん。
ママ友の御家族と一緒に南予を遊び回っているようです。四万十川や三間、宇和島城(お城まつり、伊達400年祭の1つ)、宇和海等々。
まっ黒になりそうですね。

DSC00854

DSC00889

DSC00876

DSC00882

DSC00868

DSC00863-001


— posted by 越智邦明 at 05:06 pm  

2015/5/18

膿栓


扁桃炎で来られる方の中に扁桃のくぼみに白い「膿栓」が付着している人が多い。
頻繁に出来る人は慢性や習慣性扁桃炎を起こしている場合があり心臓、腎臓、皮膚に悪影響を及ぼすケースがあります。
扁桃には口や鼻から侵入してきた細菌、ウィルスから体を防御する免疫の役割を持っている。吸い込んだ細菌やウィルスと効率よく戦うためには表面積が大きい方が有利なので、扁桃腺はいくつものくぼみがあります。そのくぼみの中に細菌の死骸や血液、口内ではがれた皮膚、食べ物のカスなどがたまって塊になったものが膿栓です。
これがたまって大きくなると口臭の原因になります。時々咳をしたときに3mmぐらいの白い塊が飛び出してきて、すごい悪臭だったと訴える方がいます。
これは耳鼻科で取り除いてもらって下さい。空気を吹き付けたり水で洗浄する、吸引する、ピンセットで取り除くなどの方法がありますが一般の方はしない方がよいと思います。

img447

img448


— posted by 越智邦明 at 01:59 pm  

2015/5/14

富士の山


「あたまを雲の上に出~し」。富士山を飛行機の上からではなくてじっくり見てみたい。太宰治、曰く「富士には月見草がよく似合う」。そんな想いが昨年より日増しに強くなり、恒例の息子達とのゴルフツアーを兼ねて5月3日~4日と静岡は御殿場に行ってきた。「こだま」で小田原に入り、貸切タクシーで箱根観光も兼ねた。芦ノ湖から時々見える富士山頂にどよめきが上った。遊覧船は連休のせいで満員の客を乗せて忙しそうであった。
次に、HAKONE GLASS FORESTでガラス細工のアートを楽しむことが出来た。ここで私用に素敵なグラスを購入した。それからポーラ美術館でセザンヌの絵を鑑賞した。ここは日本でも有数の著名画家の絵が集まっていることでも有名である。以前、院内旅行で来たことがあり、私は2回目の訪問であった。
さて1日目のハイライト、十国峠からの富士山の眺望であるが、雲も流れ、きれいで壮大な富士山を拝むことが出来て感動した。しかし残念だったのは太陽が逆光で邪魔をして写真が撮れなかったのが悔しかった。そして宿泊地のマースガーデンウッド御殿場に到着した。聞くと、12階から富士山が見える開放部屋があると。急いで12階に上がり、陽が落ちた富士山を拝むことが出来たのは本当に幸いであった。富士山の手前の街は御殿場市である。改めて頂上は雲の上に在ることが確認出来て、「日本一の山」と口ずさんだ。さて夕食で飲んだ地ビールはネーミングがとても面白かった。√500と22.36の意味分かりますか?√5=富士山麓オーム鳴く、でしたよね。粋ですね。
翌日は名匠、赤星四郎設計の富士カントリークラブでゴルフを楽しんだ。残念ながら富士山を眺めることが出来たのは一瞬であったが、記念の1コマを撮れた。今回の旅行で、写真家や登山家が飽きることなく挑戦し続ける富士山の魅力の一端を知ることが出来ました。
是非、また行ってみたいと、その日が来るのを楽しみにしています。
動画も楽しんで下さい。

DSC04218

DSC04221

DSC04236

DSC04294

DSC04237

DSC04245

DSC04247

DSC04255

DSC04273

DSC04283

CIMG5491-002

DSC04289

CIMG5489

DSC04291

DSC04292

DSC04293

 


— posted by 越智邦明 at 05:11 pm  

2015/5/11

快眠


「睡眠に良い食べ物はあるか?」と聞かれました。
回答は1つは必須アミノ酸である「トリプトファン」で、納豆などの大豆製品やバナナなどに含まれているタンパク質です。朝食にトリプトファンを摂ると体内で昼間には「セロトニン」に変わります。セロトニンは脳をほどよく覚醒させ、急な出来事があっても動じないように安定させる働きがあります。セロトニンは夜にはN-アセチルセロトニンを経て「メラトニン」に変わります。メラトニンは脳が眠るタイミングを決めている物質です。
ところでトリプトファンは「アルブミン」と結合していて、そのままでは脳の中に入れません。この結合を切る役割を担っているのがインスリンですが、インスリンは睡眠不足によって減ってしまいます。だからトリプトファンを摂ることと睡眠時間の確保はセットなのです。
睡眠に良いもう1つの食品は「体温を上げる」ものです。例えばにんにく。にんにくに含まれる「コルジニン」が血流を促進して体温をアップさせます。眠る1時間以上前に体温を上げ、その後で急激に体温が下がるとよく眠れます。
以上、試して下さい。

img445

(追伸)
東温市山之内地区の重信川上流にある登録無形文化財「除ケの堰堤(よけのえんてい)」で、こいのぼり88匹を架け渡している。
21回目となる恒例行事。当院婦長大野さんの御主人が撮ってきてくれました。
子供達だけでなく大人も元気をもらいます。

DSC00066-003

DSC002828-002

DSC00022-003

DSC001515-003


— posted by 越智邦明 at 05:23 pm  

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.