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2015/6/29

脂肪肝の対策


春の健診シーズンが終わり、多くの方がチェック項目の相談にやって来る。脂質異常症と並んで多いのが特にメタボの方の「脂肪肝」。男性は2人に1人が指摘されます。肝ぞうに脂肪が蓄積した状態で、エコーで見ると白~まっ白に映るので非常に理解してくれます。唯、問題は10年でフォアグラ状態になり20年で肝硬変ひいては肝がんになる恐れがあるため国としても指導している訳です。肝がん・肝硬変の治療は我々にとっても大変です。それなら脂肪肝の時にいかに治すか?お勧めは30分ウォーキングです。ジョギングやプールもいいですが大体、メタボの人はみんな運動嫌いです。
脂肪肝は何となくだるい、疲れやすい、お腹が張るといった症状を訴える人がいます。30分ウォーキングを2~3ヵ月続けると少しずつ肝ぞうにたまった脂肪が少なくなり肝機能もよくなり、これらの不定愁訴が解消されてきます。体の調子がよくなると体が軽く感じられ運動にも熱が入る、といった好循環になればしめたものです。唯し、いったんよくなったからと再び食べ過ぎや飲み過ぎをしないことが肝心です。
ただし分速80mぐらいのやや早歩きがベターです。
がんばって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:20 pm  

2015/6/25

摂食障害


1998年厚労省発表の疫学調査では摂食障害の患者数は2万3000人で80年からの20年間で10倍増加している。今も増え続けているが専門医が何と言っても少ない。ほとんどが10~20代で発症し圧倒的に女性が多い。症状によって①過食症②拒食症③過食性障害の3つに分類される。もちろん①~③を行ったり来たりの人もいる。発症のきっかけはダイエット。いったんやせ始めるとホルモンの分泌、血糖、骨粗鬆症などさまざまな弊害が出る。米国では拒食症の10%が10年以内に死亡するというデータを出している。うつ状態、親への依存、攻撃、姉妹葛藤(ライバル心を燃やす)など精神も不安定になる。大切なのは第1に予防、第2に早期発見と治療、第3に再発予防し社会復帰をはかること。
さてどういう様子が見られたら疑うのか?「だれにも言えない」「自分が嫌いになる」は摂食障害の典型的な特徴。拒食症は分りやすいが過食症は「吐いている」と言わない限り分らない。過食症の外から見える症状は「唾液腺の腫張」「吐きだし」「虫歯や歯周病の悪化」「脱水で口の中の乾燥」等々がある。
何といっても治療はカウンセリング。治療の最低限の目標は低カリウム血症、低血糖、衝撃的な事故などで命を落とさないことにあります。回復を急がせず年単位でゆっくりカウンセリングすることが重要です。

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(追伸)
ゆうちゃんが、ママの知人の結婚式のため松山にやってきました。
結婚式に出て将来の花嫁の自分を考えたのでしょうか?

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— posted by 越智邦明 at 10:16 am  

2015/6/22

健康寿命


長生きの指標として最近注目されている「健康寿命」。
つまり介護を必要としない健康な高齢者のことで、全国平均は男性70.42才、女性は73.62才(2010年)である。単純な平均寿命は男性80.21才、女性86.61才です。我々はやはり関心があるのは、「健康寿命」の方ではないでしょうか?
さて厚労省が発表する市町村別の「がん死亡率」(下表、少ない順)を見てみよう。平均を100とした数値ですが、がんによる死亡者の少ない自治体を並べています。面白いのは男性の2位、女性の1位は静岡県掛川市。静岡県の藤枝市、磐田市、浜松市もトップ10に入っている。埼玉県の所沢市もトップ10入っている。これらの共通点は、いずれも緑茶の産地として有名である。(所沢は狭山茶。)文献を調べると国立がん研究センター(築地)が緑茶が胃がんのリスクを抑制すると言っており、お茶の産地の「がん死亡率の低さ」はこれを見事に証明している。緑茶に含まれるポリフェノールやカテキンの有用性は皆さん御存知の通りである。ちなみに静岡県は健康寿命が男性で71.68才(全国2位)、女性で75.32才(全国1位)である。
緑茶を摂って健康に長生きしたいものです。

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(追伸)
父の日にくれた娘とゆうちゃんの手紙です。
大事に保存します。

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— posted by 越智邦明 at 01:35 pm  

2015/6/18

のりたま


丸美屋食品工業の「のりたま」は特に中高年には懐かしいと思います。1960年誕生で今年で55周年です。私が小学校1年生のときに出来ました。ふりかけと言えば魚(魚粉)の時代に、ぜいたくな卵と海苔を使ったふりかけは斬新なアイデアであった。卵は良質なタンパク源で栄養的な価値も十分であった。特に有名になったのが1963年。忘れもしない「エイトマン」(テレビアニメ)のCMで流れ、エイトマンシールがおまけにつくということで、私は毎日のようにシール欲しさに買い漁った。
山のように積まれた「のりたま」を見て母親からこっぴどく怒られた。「あんたが全部食べてよ!」。おまけシールの商法は今でもどの商品にも引き継がれていて、ゆうちゃんと買い物に行くと同じ発想から「買って、買って」とせがまれる。昔、怒られたことも忘れて買ってやる私、じいじでした。
さて、のりたまは96年にふっくら軽い食感の“たまごそぼろ”を新たに加える等、大きな進化を見せながら時代と共に歩んでいる。近年、ふりかけ市場は拡大基調にある。節約志向、弁当ブームが追い風になっている。
我々の時は子ども相手だったのりたまは、今や全世代がターゲットになっている。
がんばれ「のりたま」!

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(追伸)
患者さんには器用な方もたくさん居られ、今回御紹介するのは79才のFさん(男性)。
「ゆうちゃんの絵をさしあげます」といきなり1枚の絵画をいただきビックリ。何と色鉛筆のみで書いたと言う。続いて竜の絵。これは黒鉛筆のみで。更に映画キャラクターを水彩絵の具で書いたと。
どの絵もすばらしい出来映えで感嘆です。
ちなみにFさんは絵の仕事をしたこともなく単に趣味だそうです。どうか長生きして絵をたくさんいただきたいものです。


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— posted by 越智邦明 at 05:57 pm  

2015/6/15

高血圧あれこれ


外来の慢性疾患患者の中でトップに位置するのは「高血圧」でしょう。それだけに色々な質問があります。「3種類以上も他院でもらっているのに150/95もある。何とかして下さい」とか・・・。
もちろん高血圧を放置すると脳卒中、心筋梗塞、心肥大、心不全、腎不全等、ろくな事はない。
難治性の場合、医師が最初に調べるのは、手術で治る「原発性アルドステロン症」。腎ぞうの上に乗っかかっている副腎に腫瘍が出来てアルドステロンというホルモンが出過ぎた状態。去年も1人発見して公立病院で手術をしてもらい、すっかり治りました。さて血圧には「パンパン型」と「ギュウギュウ型」がある。血中の塩分が増えると水分が薄めようと血管に入り込み血管がパンパンになる。60才以降に多い。利尿薬やCa拮抗薬が効く。他方、ギュウギュウ型は血管を締め付ける物質が増えたために血液が勢いよく血管の中を流れて血圧が上がる。40~50才に多い。血管を広げる血管拡張薬が適しています。最初、ギュウギュウ型でも加齢と共にパンパン型に変わる人も多いので薬が効きにくくなったら主治医と相談して下さい。
最後に「白衣高血圧」。ストレスは血圧に大きな影響を与えることがよく分かります。一言では言えないので対策は又の機会に致します。

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(追伸)
6/6~6/7、東京出張の合い間を縫って東京タワーに登った。以前にも出したがやはり、東京のシンボルは東京タワーと私は思っている。初めて登ったのは大学1年生だったから、もう40年も前である。今は東京も高層ビルが立ち並び一変している。
円形芝のあるホテルがいつも宿泊しているザ・プリンスパークタワー東京である。
近い将来ゆうちゃんを連れていくつもりです。
写真を気楽に眺めて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:22 pm  

2015/6/11

糖尿病と体重


糖尿病というとみなさん、血糖手帳をにらめっこして、いかに血糖を下げるかのみ腐心していませんか?今回私はもっと「体重を増加させない」ことに注意を払うべきだと主張したいと思います。
「体重が増える=肥満」になるとインスリンの作用が阻害され血糖が上昇してしまいます。また内臓脂肪が蓄積されて動脈硬化を招き心筋梗塞、脳梗塞などの合併症の発症リスクが高まります。
糖尿病のクスリの中には低血糖になりやすいクスリも多く、体はそうはさせまいと食欲を増やして結局、体重が増えます。そうするとますますインスリンの効きが悪くなって血糖値が増えるという悪循環に陥ります。
かつて米国で行われた「アコード試験」ではHbA1cを厳格に6.0以下を目指したため死亡率が22%も増えてしまい途中で試験が中断されました。
患者の20%近くが体重増加を起こしさまざまな合併症を起こしました。つまり糖尿病の治療はいかに血糖を管理しながら「体重」を増やさないかが重要となります。HbA1cが9→7%になっても体重が+4kgでは逆効果になるケースがあります。きっと今後の糖尿病治療は「体重が増えない=低血糖を起こさない」治療の方が重視されると私は思います。
「体重の管理」が長生きにつながると考えています。

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(追伸)
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災。
20年経った今、風化させないためもあって、兵庫県保険医協会が主体となって一冊の本が出来上がった。『巨大災害と医療・社会保障を考える』(クリエイツかもがわ発行・1800円)。
その本の表紙写真に何と私が載っている。これは、当時、私が当院のナース、ヘルパーを連れて3人で急遽、愛媛県保険医協会の一員として西宮へ飛んでお手伝いをした時の1コマである。2枚の写真は同伴者と、西宮の体育館に避難した被災者の方々です。
その時の記憶が一気に蘇った。ドキュメントとして残すことはとても大切であると、改めて教えられました。
興味のある方は御一読下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:09 pm  

2015/6/8

手指化膿性腱鞘炎(咬創)


中年女性が飼い犬に昨日両手、前腕を咬まれたが今日、夕方になってズキズキすると来院。
3~4ヶ所咬まれているが既に感染が始まっていた。当院でも実に多くの動物咬傷がやってくる。中には酔っぱらった友人に咬まれたという「人咬創」もある。タイトルの炎症で大事なのは病原菌が屈筋腱鞘に侵入し、早期に適切な治療が行われれば後遺症もなく治ゆするが、中途半端な治療だと腱鞘を破壊し腱のゆ着を惹起して重大な機能障害を生じる。そのため、早期診断、早期治療が極めて重要である。
図のように母指と小指に発生した炎症は連続性があるため手関節部まで波及しやすい。母指から小指につながる膿瘍を馬蹄型膿瘍と言います。
一方、示指から環指までの腱鞘は他の腱鞘に連続していないので感染は指にとどまることが多い。
詳しい治療は割愛するが、患者も医師も初期治療において軽視しがちで病気が進行して重大な機能障害を来すことも少なくありません。ケースによって抗生剤の投与はもちろん創部の早期切開、洗浄、排膿が肝心です。
統計的には動物咬創は犬が80~90%と最も多いが犬より猫が重症化しやすいとあります。いくら愛犬でも咬まれたら要注意です。

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5月31日の祖母の米寿の会のためにやってきたゆうちゃん。
だんだん身長も伸び、また仕草が女性らしくなってきました。快活に成長しています。
それとホームページのトップの写真は霧島連山で、えびの高原の「雲海」です。
海に見えたのは私だけでしょうか?大北君のナイスショットです。

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— posted by 越智邦明 at 10:52 am  

2015/6/4

米寿


私の実母が今年の3月25日で満88才となった。
そこで私が音頭を取り、5月31日(日)に米寿のお祝いを行った。最初は嫌がっていた母親だったが、「子供達だけでなら」と小宴を行うことで納得した。子供は兄と私、妹の3人であるが孫や、ひ孫を含めて総勢23名となった。場所は「ふなや」で行った。父親は平成19年1月11日に83才で亡くなって米寿をしてやれなかった。人生には還暦(60才)、米寿(88才)、卒寿(90才)、白寿(99才)等、色々なお祝い事があるが、平均寿命を考えていくと、やはり米寿は実現性とその価値が一番マッチして嬉しい気がする。特に女性の平均寿命が伸び、世界でも一、二を争う日本の長寿社会。「認知のない」長寿を患者さんはみんな切望して日々、診察に通って来ている。
さて米寿の「米」は八十八から出来ていることから米寿となり「米の祝い」とも言われます。黄頭布、黄色のちゃんちゃんこを着させて、これからも元気で過ごせることを願ってのお祝いです。黄は天の太陽、地にあっては沃土、黄金を象徴して自然の恵みの色です。
さて会は司会を私が務めました。兄貴のあいさつに続いて母親のあいさつ。3枚の便箋にしたためた子育ての想いを時間をかけて朗読してくれた。
子供も孫もひ孫も真剣に聞き入った。
続いて私の長男、友洋君の乾杯の音頭。その前に彼からサプライズプレゼントの披露。「おちちかえ」の頭文字を取った詩が画面一杯に描かれた素敵な額であった。次に事務長石山君からのお花のプレゼントの贈呈を娘、万季が行った。乾杯のあと楽しい食事会が始まった。宴もたけなわになって、各自1分のスピーチを行った。みんな今までの人生を振り返り、ばあちゃんへの感謝の想いを述べ、母親はそのたびに涙ぐんだ。宴も進んだある時、会場が真っ暗になってサプライズのケーキプレゼント。と同時に母親には、ちゃんちゃんこが着せられ、みんなを囲んで写真撮影となった。子供達による「ハッピーバースディー」の唄も楽しかった。
宴の2時間もあっという間に終わり、最後は藤井進午君の万歳三唱で幕を閉じた。
母親にとっても、とても感慨深い記念になった米寿の会でした。
ますますの長寿を期待しています。

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— posted by 越智邦明 at 05:59 pm  

2015/6/1

頚肩腕症候群


私は産業医をしているので、今回はこの病気を取り上げました。
①首や肩の凝りがひどく「凝り」というより「痛い」
②疲れやすく休日は何も活動できないほどぐったりしている。
①あるいは①と②の両方に該当するなら間違いありません。それらが原因で仕事の集中力が低下してミスを犯したりしていませんか?さらに放置すると仕事への悪影響だけでなく首、肩以外にも頭痛、手のしびれ、背筋痛、腰痛、慢性の疼痛などさまざまな症状が出てきます。全身が痛む「線維筋痛症」の中にもこれが原因となっている人がかなり居そうです。
「頚肩腕症候群」は元来、整形外科の分野で首、肩、腕に症状のある場合を広い意味で提えた言葉でした。昭和40年ごろにキーパンチャーや電話交換手の「キーパンチャー病」として知られ、最近ではパソコン作業など上肢作業によって首、肩、腕に症状が出る場合を「頚肩腕症候群」として扱うようになりました。上肢作業による肉体的疲労と脳の慢性的な神経疲労の2つが要因となっています。特に神経疲労は、その度合いが分かりにくい。そのため「まだ頑張れる」となってしまうのです。
厄介なことにレントゲン等々の画像診断では発見できない。
予防、治療の基本は仕事量、密度の調整と十分な睡眠、休養。休日はゆっくり休みパソコン作業は60分したら15分休む。
症状によっては消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬を用い、当院では更に、マッサージ、鍼、リハビリを行っています。
凝りを甘く見てはいけません。

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— posted by 越智邦明 at 04:49 pm  

2015/5/28

口内炎


外来患者を診ていて、ありふれているが多い病気のひとつに「口内炎」がある。教科書的には局所原因として、誤って咬んで傷つけた、義歯、歯石、食物中の異物等、全身的原因としてウィルス感染症、免疫力低下、ビタミン欠乏、抗癌治療、薬物アレルギーなどがあるが、原因不明のものも多い。ベーチェット病の部分症状としても有名である。
さて、実際の治療としては、ステロイド軟膏の塗布やビタミン剤(B群)の投与、うがい液で1~2週間以内には治ゆするが、難治性、再発性の人も多い。
そこで漢方薬の登場となる。築地の国立がん研究センターの上園保仁分野長の話から引用してみたい。がんセンターだからもちろん抗がん剤の副作用によるものが多いようだが、上園先生は半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)を勧める。これは半夏、黄連、黄芩、人参、甘草等7つの生薬からなります。なぜ効果があるのか?これは黄連や黄芩に含まれるベルベリンという化学物質に粘膜の組織修復を高める働きのあること、そして他の生薬との複合作用による全身状態の改善と相まって口内炎の早期治療に役立つそうです。さらにこれを水で溶かし、それで1日3回うがいをするだけでも口内炎に効く、とあります。
近いうちに半夏瀉心湯が口内炎の第1選択薬として認められるのではないかと上園先生は期待されています。
私も難治性の方に是非、試してみたいと思っています。もちろんこの漢方は「口内炎」に保険適用されています。

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— posted by 越智邦明 at 05:29 pm  

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