さて、実際の治療としては、ステロイド軟膏の塗布やビタミン剤(B群)の投与、うがい液で1~2週間以内には治ゆするが、難治性、再発性の人も多い。
そこで漢方薬の登場となる。築地の国立がん研究センターの上園保仁分野長の話から引用してみたい。がんセンターだからもちろん抗がん剤の副作用によるものが多いようだが、上園先生は半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)を勧める。これは半夏、黄連、黄芩、人参、甘草等7つの生薬からなります。なぜ効果があるのか?これは黄連や黄芩に含まれるベルベリンという化学物質に粘膜の組織修復を高める働きのあること、そして他の生薬との複合作用による全身状態の改善と相まって口内炎の早期治療に役立つそうです。さらにこれを水で溶かし、それで1日3回うがいをするだけでも口内炎に効く、とあります。
近いうちに半夏瀉心湯が口内炎の第1選択薬として認められるのではないかと上園先生は期待されています。
私も難治性の方に是非、試してみたいと思っています。もちろんこの漢方は「口内炎」に保険適用されています。