Created in 0.0070 sec.
 
越智クリニック
 
カレンダー
<< 2014.9 >>
SMTWTFS
 1 234 56
78 91011 1213
141516 1718 1920
2122 232425 2627
2829 30    
 
2014/9/16

虫よけスプレー


デング熱の勢いがひどい。代々木公園に続き9月7日には新宿御苑も閉鎖した。犯人は「ヒトスジシマカ」だ。やぶ蚊の一種で感染者を刺したあと別の人間を刺して感染を拡大させる。
さて、よく我々が蚊に刺されやすい人、そうでない人という話をする。私の恩師で熱帯医学の権威、藤田紘一郎先生(東医歯大名誉教授)の論文を読んでみた。「蚊は人間の体が発するものに引き寄せられて血を吸いにくる。一番の目印が口から吐く炭酸ガスと汗。スポーツ選手がその例。あとお酒を飲んでいる人。蚊がアルコールに含まれるアセトアルデヒドのにおいに集まるからです。男女差はありません。」次に別の研究で蚊はO型を刺しやすくA型の2倍。B型はA型の1.5倍とあるがよく分っていないようです。
さてヒトスジシマカの産卵が活発化する9~10月。デング熱はこれからが危険。藤田先生曰く。①蚊は酸性の血を好むので肉をよく食べる人は注意。アルカリ性にするために野菜を多く摂ること。②最も蚊を引き寄せる服は白と黒のボーダー柄。次に黒。だから白いシャツがおすすめ。③日本酒、ビール、ワインは血液が酸性になるので危険。焼酎やウィスキーがベター。④虫よけがないときはオロナイン等の軟膏でも大丈夫。蚊が嫌がるにおいとか。
さてここからは虫よけスプレーの話です。
国立感染症研究所は「ディート」(虫よけ化合物)を配合した忌避剤を推奨している。
このディートの濃度だが日本では薬事法で12%までしか認められていません。今回の代々木公園の蚊は5%でも近寄ってこないそうです。購入前にパッケージの成分表示をよく読んで下さい。ちなみに私が散歩前に使っているのは7%でした。注意はディートの効果が雨や汗で流れるので2-3時間置きにスプレーして下さい。
一方、東南アジアなどデング熱の流行地帯に出かける人は何と言っても「蚊取り線香」。熱帯の蚊は日本のようにヤワではなく、虫よけスプレーでは太刀打ちできない。
日本伝統の蚊取り線香の成分はディートより強力な天然ピレスロイド。海外でも愛好者が多くフィリピンやタイでも大人気。販売実績130年の伝統はあなどれません。
何とかこのパンデミックを乗り切って下さい。
ちなみに致死率で比較するとエボラ出血熱の方が怖いですが、世界的に見れば感染者数も死亡者数も圧倒的にデング熱の方が多いです。

img397

img396

img398


— posted by 越智邦明 at 05:17 pm  

この記事に対するコメントはありません

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.