モンゴルは遊牧民であるため引っ越しに特別の感情を抱かないと言う。何せ、年4回も移動するのだ。物をため込むと運ぶのが面倒で置き場所もとる。日本人ひとり当たりの所有物は何と1万個。それに比べモンゴル人は約300個と言う。日本人は本当は要らない物に囲まれて窮屈に暮らしているということになる。
さてモンゴルの格言に次のようなものがある。
「放した馬は捕まえられるが放した言葉は捕まらない」
「百歳の人はいないが千年の言葉はある」
物に執着しない人々はその代わり言葉を大切にすると言う。日本人は政治家も芸能人もあまりに軽々しく「失言」する。モンゴル人を見習うべきである。
最後に「引っ越し」は、自分にとり何が本当に大切かを問う好機でもある。捨てる勇気も必要かもしれない。