この方は糖尿病の持病があったが放置状態で当院へやって来た。早速調べると食後血糖値323mg/dl、HbA1c=9.2%、更に足の血行不良があり、ブログで何回も取り上げた糖尿病合併症の一つである「閉塞性動脈硬化症」(ASO)を起こしていた。ASOは糖尿病や高血圧などの生活習慣病が原因で4つの段階がある。①脚が冷たい・しびれる ②脚が痛くて休み休みの歩行になる ③安静にしても脚が痛い ④足の壊疽を起こし切断になる。
Aさんはすぐに公立病院を紹介し血行再建術を受けて事なきを得たが、執刀医にこっぴどく怒られたそうです。「越智先生に発見してもらわなかったら、来月には切断になっていた」と。そして今後の服薬管理、生活指導を含め、入念に注意されたようです。
さて合併症臓器のうち脳、心臓、脚のどの血管が最も早く障害されると思いますか?それは脚の血管です。脚の血管が詰まる人は放置すると近いうちに脳や心臓がやられて脳卒中や心筋梗塞を起こします。ASOの人は約5割が5年以内に心筋梗塞か脳梗塞を起こし、5年生存率は6割と報告されています。
脚がだるいと思ったら放置せず主治医の所へ行きましょう。
(追伸)
春になって屋外に飛び出したゆうちゃん。春を満喫しているようです。