Created in 0.0310 sec.
 
越智クリニック
 
T:1174 Y:1609 Total:2886154 Online:52
カレンダー
<< 2011.3 >>
SMTWTFS
  123 45
67 891011 12
1314 151617 1819
202122 2324 2526
2728 293031   
 
2011/3/31

福島県への思い入れ


24日、福島県須賀川市の野菜農家の男性(64才)が首をつって命を絶った。野菜摂取制限の指示が出た翌日。遺族は「原発に殺された」と悔しさを募らせている。とても痛ましい事件であるが今後、同様の事例が増えることが予想される。
私事であるが、福島県は私には特別な思いがある。あれは27才。大学の関連病院が福島県郡山市にあり(太田総合病院)、私は外科研修を1年間行ったのである。昭和55年10月に結婚して、家内も半年間郡山で生活をした。福島県はとてもいい所で農業県であり又、観光にも力を入れていた。猪苗代湖、磐梯山、五色沼、会津など見所は多く、私もよく行った。(写真左は磐梯山、右は五色沼)。冬は磐梯スキー場にナイターで先輩と何回も行ったし、職員ともよく飲んだ。特に親しかったレントゲン技師のS君は須賀川から通勤していたので、よく覚えていた市である。福島県人は東北の人らしく、多くは語らずとも誠実な県民性である。手術のお礼にと野菜や果物をよくいただいた。あの福島が放射能にやられてしまったことは本当に悲しい。あんないい人達が・・・と思うと胸が張り裂けそうである。
今、出来ることは募金しかないが、最後に募金の話。
世の中にはコツコツとコインを貯めてくれる人が居る。写真のような寄付をお2人からいただきました。私も見習いたいと思います。
感謝です。

IMG3050

IMG3055

IMG3049


— posted by 越智邦明 at 01:10 pm  

2011/3/28

かすれ声


医学用語で「嗄声」(させい)。
母校、東医歯大の頭頚部外科の岸本誠司教授の論文から調べてみた。
我々開業医で診る「声がすれ」は風邪による喉頭炎で、内服や吸入で1W以内で治る。
問題は、声がすれが「2週間以上続く」「1日中声がかすれる」「大声が出ない」のどれかに該当する時は病院に行くべきです。
病気は次の3つに分かれます。①声帯そのものの病気②声帯の動きが悪くなる病気③声を出す力が衰える病気。
①は「声帯ポリープ」や」「声帯結石」「喉頭炎」。よく歌手等でポリープを切った話を耳にします。
②は脳腫瘍と上咽頚、食道、肺、甲状腺のガンの浸潤で声帯に関係する神経がマヒしたため声がかすれる。
③は肺炎やCOPDなどの肺機能障害、筋無力症等によります。
カラオケで十八番が歌えなかったらまずは耳鼻科受診がお勧めです。
(追伸)
毎日暗い話ばかりで気が滅入りそうになります。そんな時、ゆうちゃんの笑顔でも見て少しでも心が和んでくれたらと思います。赤ちゃん達はみんな放射能の事件は知りません。この子達が無事に育ちますように、みんなで原発封鎖が成功することを祈りましょう。

201103220136

201103220004

201103220146

201103220067


— posted by 越智邦明 at 12:31 pm  

2011/3/26

計画停電


これは困った事態である。私の友人O君は埼玉で20年以上、整形外科の開業医(無床)をしている。先日、夜9時に電話を入れた。それは彼の地域が第3グループに属し、その日も昼間停電が行われていたことを知っていたからだ。開口一番、O君は「もう開業医をやめたいよ。毎日毎日、半日は停電で、これが来年の冬まで続くと聞いて、うつがひどくなった。」と。当然収入減で、かといって職員の給料は減らせないから、来月は赤字になりそうとの事。彼は、以前よりうつがあり、薬を飲みながらの診療であったが、今回の停電騒動は更に追い討ちをかけているようだった。「越智君、もう関西へ引っ越してのんびり開業医をしたいよ。しかし関西は身内が誰もいないからなあ」と寂しくつぶやいた。
さて関東東北が電力不足で困っているのは、(廃炉にすることが決まった福島原発を除いても)、福島と茨城にあった火力発電所がダウンしたことが大きい。東京電力の今の電力パワーは3500万KW。夏場の需要は6000万KW、冬場は5000万KW、と予測されている。
では関西から電力を供給してはどうなのか、という素朴な疑問がわく。これは調べてみると、ヘルツの変換装置建設に10年かかるそうで、全く無理との事。現在、いったん休止した火力発電所の再起動などが行われているが、計画停電は1年以上続くのは間違いなさそうである。産業、経済、教育全てが集中する首都圏。かつてない難局を菅首相がいかに乗り切るのか。その手腕にかかっている。
話は変わって、当院の薬の話。新聞報道にもありますが、甲状腺のクスリ「チラージンS」が極端な品不足です。製造元のあすか製薬の「いわき工場」がやられたためですが、甲状腺機能低下症の方にとっては、このクスリは生命線です。1日1錠の人もいれば、3~4錠必要な人もいますので深刻です。保団連は住江会長名で、チラージンSの緊急輸入を政府に要請しました。それと経鼻、経管栄養だけで生きている当院に入院中の高齢の患者さん。エンシュアリキッドが一番合っているので毎日使用していたが、この薬も販売中止に。代替品もままならず、外来で取りに来られる人の分を全部お断りして、何とか1カ月分は確保。しかしその後の見通しは立っていない。娘さんに状況を説明した。「みんなで苦労を分かち合うしかありません」との返答。医療分野にとどまらず、色々な所に支障が出てくると思われます。
頑張って乗り切るしかありません。

— posted by 越智邦明 at 04:11 pm  

2011/3/24

震災について感じること


震災のあと、当院の患者さんの意識がものすごく変わった事を感じる。いつもなら「肩が痛い、腰がいたい」と不平不満を言いながら治療に来ていた高齢の方たちが、口をそろえて「私らは、ごはんも電気もあって幸せや。腰がいたいじゃの言うてぜいたくや。本当に東北の人らはかわいそうや」と。先日も書いたが日本人の「互助の精神」。震災は確かに不幸であったが、日本人全体の「幸せに慣れた」マインドをもう1度変革するのにいい機会ではなかったかと考えている。みんなが気持ちでつながり、明治維新、戦後復興に続く「三度目の奇跡」を起こそうではありませんか。
さて、愛媛保険医協会でも募金活動を行っています。初日は12,506円集まりました。感謝です。協会会員(医師、歯科医師)にも1000円×( )口といった形で振込用紙を発送していますが、先日、ある医科開業医の先生から100万円の寄付をいただきました。医療経営はどこも厳しい折、頭が下がる思いです。是非1円でも多くの義援金をお願いしたいと思っています。

R0012745-2


— posted by 越智邦明 at 04:03 pm  

2011/3/22

大学同窓会


3月3日号と違って今回は東医歯大の四国ブロック同窓会が3月12日(土)、高知で行われた。はりまや橋の近くの「つるはら」という料亭で行われたが、出席者は7名と少なかった。9名の予定であったが、愛媛のJ先生は息子が長野で地震で被災し、娘がロンドンへ旅立つ予定がやはり地震でキャンセルになり、急遽上京のため欠席。高知のK先生は高知県庁に勤めているが、地震で東北へ派遣する医師の準備のため急遽来れなくなったと欠席。地震の被害はこんな所にも出ました。
同窓会は各先生の生きざまを見るいい機会なので、積極的に参加しています。高知のF先生は開業27年目と。上には上が居るものだと改めて感心しました。U先生は70才であるが、息子(38才)が4月に帰ってきて整形外科医院をやるということで、喜色満面であった。医院の名前は何がいいか等、みんなで話しあった。ゴルフが趣味で自分の所は黒潮カントリー、土佐カントリーが近いので是非今度一緒に回りましょうと誘われた。ゴルフと言えばU先生は昨年、黒潮カントリーでプレー中に携帯が医院より鳴り、患者が腹痛を訴えていると連絡がありました。こんな時に医師は困りますが、U先生は思い切ってプレーをやめ患者宅へ往診。すると腹膜炎を起こしており、直ちに救急搬送しました。結果は「特発性S状結腸穿孔」でopeになって一命を取り留めたとか。U先生のそんな秘話に、私も改めて身がひきしまる思いでした。M先生は高知でも有名な近森病院に勤めている。医師数100人というから本当に驚きである。S先生(女医)は40才と若い。夫も医者で10才と8才の子供を抱え、子育てと勤務医の両方をこなしているスーパーウーマンであった。幹事をしてくれたT先生(女医)は、麻酔科医として経験豊富。そろそろ定年後の人生設計が気になると話をされた。
記念写真を撮った後、2次会は有名な「赤い靴」に集まり談笑した。そして来年の香川での再会を期して散会となりました。
(追伸)
震災に対し外国メディアは「核の大惨事に備えて避難地域を広げよ」「チェルノブイリにならい施設全体をコンクリートで固めて、放射性物質を封じよ」と厳しく指摘している。これに比べて我が国菅首相のリーダシップのなさが露呈している。孤立している人達へは一刻も早く、自衛隊ヘリなどで物資をパラシュート降下していけばいいのだが、一向に動こうとしない政府に苛立ちを覚える。ヘリ視察というパフォーマンスをやっている間に初動が遅れた菅首相。東電批判の前にやる事はたくさんある。さて赤ちゃんが西へ西へと疎開ラッシュとなっている。日本人は阪神大震災の際にも見られたように、危機に直面すると他人を思いやる気持ちが強くなる。世界に誇るべき、互助の精神である。列島パニックが早く収まることを願っている。

DSC00530


— posted by 越智邦明 at 08:27 am  

2011/3/19

大地震の反省


今回、仙台から3ヵ月に1回通院しているTさん。安否が心配で何度もTELするも通じず。予定の3月14日にはたして来るのか、かたずをのんで待っていたら、無事来院。抱き合いました。仙台の若林区という所はTVでも何回も取り上げられ、多数の海に呑まれた死体が300体と聞いていたのでTさんに質問しました。今回被害に遭ったのは若林区でも海岸沿いの地域だったそうです。残念だったのは「10mの津波が来るぞ」という警報が何回も鳴ったのに、無視した人はみんなやられたと言ってました。Tさん宅は内陸部だったので揺れで多くの皿が割れたが、その程度で済んだ由。
さてどうして逃げなかったのか?色々な情報を整理していると、武蔵野学院大学の島村英紀教授(地震学)の文献が気になりました。先生は「気象庁の津波警報が信頼を失ったからではないか」と指摘する。十勝沖も紀伊半島も気象庁は数mの津波が来ると予報したがこれが外れた。こうした間違った予報のせいで、住民がいつしか警報を重要視しなくなった。今回の大津波の2日前の宮城県北部の震度5弱の地震でも気象庁は津波警報を出したが、実際は石巻市で50cm、大船渡市で60cmだった。要するに警報が、オオカミ少年のように信用されなくなった。では、どうしたらいいのか?先生はもっと正確な数字を得るために、海底津波計を使うと良いと言う。現実は釜石の沖に2台しか設置されていない。
予算の見直し論議が民主党政権でよく行われているが、天下り機関に投下する予算があるのなら、こういった計測器をどんどん投入すべきだと思う。何といっても日本は地震大国なのだから。

— posted by 越智邦明 at 02:26 pm  

2011/3/17

犬の赤ちゃん


3月12日、我が家のオンプ君(♂、トイプードル)と知人Sさん家のミニョンちゃん(♀)との間に、5匹の赤ちゃんが誕生した。
なかなか難産で、2匹産まれたあとが困難で、陣痛促進剤を使っての出産となったそうです。内訳は、黒(♂)、茶(♂)、茶(♀)、ベージュ(♂)、ベージュ(♂)で、どの子も130gで健康です。今回楽しみにしていたのは理由があって、ゆうちゃんがとても犬好きなので、オンプ君と同じ色のベージュの男の子を一匹いただいて宇和島にやろうと計画していたからです。ちょうど用があって、3月13日松山へ来た娘夫婦。早速みんなでSさん宅へ押しかけた。ゆうちゃんはとても興奮して「ワンワン ワンワン」と何度も指さして喜んでいました。5匹がおっぱいを飲む姿は感激でした。3~4ヵ月して大きくなってから、宇和島へ引っ越しです。ゆうちゃんの遊び相手としてたくましく育って欲しいと思います。
(追伸)
日本医師会情報です。宮城県内だけで、死者1万人を超える見込み。火葬場の損傷にて厚労省は、墓地埋葬法に基づく許可がなくとも埋葬を認める方針を出した。地震+津波+被爆の災害モデルは歴史上、未曾有の災害。1200チームの支援を必要としているとの事。(医師1名、看護師1名、事務1名を1チームとする)。私は行けないのが残念ですが、募金活動を保険医協会でやっています。皆さんも出来ることで協力下さい。余談ですが、私の姪っ子が東京で暮らしていたのですが東京はパニックで、おむつが店頭になく、急拠、実家の今治に帰ってきました。本当に困った事態です。

DSC00533

DSC00537

DSC00552

DSC00547

DSC00554

DSC00555


— posted by 越智邦明 at 08:02 am  

2011/3/14

犬と服


うちのオンプ君(トイプードル)も冬になると服を着せられている。さて犬に服は必要なのか?
埼玉のノヤ動物病院院長の野矢雅彦氏の書物を読んでみた。
まず毛が短くその密度の少ない犬ほど暖かい国、毛が長く密度の高い犬ほど寒い国が原産国となっている。
犬の毛がどれだけ重要かということで、例の南極調査隊で使用された樺太犬の太郎と次郎の話を書いている。この2匹の犬が極寒の中で、しかもほとんど食事の取れない環境で生き延びることが出来たのは、脂肪の少なくなったやせた身体でも寒さをしのげる非常に密度の高い長い毛を持っていたからである。しかも大事なことは毛皮をまとっているのではなく、自分の身体の一部である「体毛」ということである。彼らは密度の高い長い毛を皮膚の中にある立毛筋を使って立てたり寝かしたりして、毛と毛の間に空気の層を厚く作ることによって保温効果を高めていたのである。このような寒さに強い犬種に対して、寒さが苦手な犬種もある。愛玩犬である小型犬種の多くがこれに当てはまる。ちなみにプードルも2次毛がなく換毛もしない犬種であるので、毛は長くても寒さに弱いとある。しかし健康で活発に動く犬でかつ外にいる犬であれば、関東以南では犬に服は必要ないそうです。問題なのは、人が自分たちの環境に合わせて夏は冷房、冬は暖房の中に生活させるため、四季に順応できなくなってきて換毛が順調に行われていないことです。まとめとして子犬には服は必要なし。生後4ヵ月~10才は、自身の体温調節機構を妨げるので必要ないが、ファッションとしてというのであれば薄手のゆったりとした服にすること。もちろん病気の犬にはフリースなどの暖かい服を着せ屋内を暖房としてやる。
最後に、夏に丸刈り(サマーカット)してよいのは、散歩に行かない屋内犬だけです。これは犬の体温調節機構を人がわざわざ壊している行為なので、散歩に行くとすぐに熱中症に陥ってしまう。「犬の毛は寒さからも暑さからも身体を守っている大切なものである」と結んでいました。
みなさん、よく考えて服を着せてやって下さい。
(追伸)
今回の東北関東大震災に際し、被害に遭われた方々には心からお悔やみ申し上げます。原発問題を含めさまざまな問題が提起されているが、まずは人命救助が第1。週末は宮城保険医協会も連絡がつかなかったですが、保団連も出来ることからやっていくと声明を出しています。薬の切れた人への配慮など、やることはたくさんあります。被災地で医院がどうだったか等を含め、今後ブログで報告していきます。

P1020006

P1020008


— posted by 越智邦明 at 04:20 pm  

2011/3/11

創立記念日


今日3月11日は、当院創立24周年である。開院日も今日のように晴天で、気持ちのいい朝であった。これを機会に2階の入院患者用のトイレの全面改装を行った。ピカピカのトイレに気持ち良く入っていただきたいと思います。
さて1回でも当院を訪れたことのある人は、26,000人を超えた。先代、後藤田内科の創立が昭和43年であるから通算で、43年経ったことになる。親ー子ー孫と3代で通院されている方も珍しくない。左下の写真は、その方々にとっては大変懐かしい写真である。ここは現在壊されて、第2駐車場として多くの人に愛用されている。
さて毎年、前日の3月10日にお祝いにと吉野の桜を送ってくれるNさん。今年もいただきました。
ホームページに掲げているように「いつでも安心して受けられる医療」をモットーにがんばりますので、応援よろしくお願いします。

IMG2989



IMG2988


IMG3004

IMG3006


— posted by 越智邦明 at 03:55 pm  

2011/3/7

MRA検査


脳梗塞の発症は、やはり冬が多い。中高年で血圧やコレステロール値が高い人、肥満の人たちは注意が必要です。
しかしふだん、定期検査を受けているのに脳梗塞を発症する人がいます。東京のある60才台の開業医Aさんが、往診中に体の異変に気づいたが放置。その夜、トイレに起きようとして倒れ、救急車で大学病院へ運ばれ、緊急手術を受け一命をとりとめた。検査でMRA(磁気共鳴血管撮影)で見ると、脳の血管があちこち詰まってボロボロだった。Aさんは毎年の血液検査、眼底検査、頚動脈エコーでも全く異常なかったのでショックでした。
脳の血管の状態を調べるには、造影剤を直接注入して撮影する脳血管造影や造影CT検査などがありますが、MRAは注射もしないで済むため、脳ドックで、はやりの検査です。
主治医の判断にもよりますが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などがあって、40才以上の人は一度はMRAをお勧めします。脳動脈瘤が見つかってラッキーだったという方も居られます。
「一般検査で異常なし」も安心できないことがあるのです。


IMG2419


— posted by 越智邦明 at 12:33 pm  

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.