Created in 0.0268 sec.
 
越智クリニック
 
T:0576 Y:0632 Total:2883947 Online:16
カレンダー
<< 2009.7 >>
SMTWTFS
   1 23 4
56 789 1011
1213 1415 1617 18
1920 21 222324 25
2627 28 2930 31 
 
2009/7/30

登山


毎年、山で痛ましい事故があっても登山客は跡を絶たないのは、山に魅力があるからだと思う。
母校の先輩S先生はヒマラヤで遭難して30才でこの世を去った。後輩のA君は入局した時から登山、特にロッククライミングが好きで街を歩いていてもよじ登れそうな所はさっと登ろうとするその仕草に同僚のDr.もあきれ返った。
さて日本山岳協会事務局長の尾形好雄氏が言う。「トムラウシ山の悲劇は雨に濡れ、風を受けたのが一番の原因。人の体は風速が1m増すごとに体感温度が1度下がります。基礎体温が下がると意識がもうろうとして幻聴や幻覚に襲われます。」
では夏の山登りでは何に注意すべきか?
 
①地図とコンパスは必需品
日帰りのハイキングでも地図、コンパス、ヘッドランプは必需品です。日没後や濃霧のときはヘッドランプが便利。両手があくので安全性が高まる。
 
②装備で体温低下を防ぐ
山は1000m登ると気温が6度下がる。濡れてもすぐに乾く新素材の肌着の上にウールのシャツとフリースの上着を着る。雨のときはゴアテックスの雨具を着て体温の低下を防いで下さい。私は昔、ゴルフ中に安いレインウェアーを着ていたら大雨でしみこんでベトベトになり風邪を引きそうになりました。それ以来、少し高価ですがゴアテックスにしました。1滴の雨水も通さないのは血管外科で人工血管に使うことからも明白です。
 
③寒さに備えてタンパク質
タンパク質や脂肪の豊富な食べ物を持って行く。アメやチョコなどの行動食のほか非常食としてコンデンスミルクなどもお勧めです。
 
④スクワットで鍛える
下山のときは膝が疲れて踏ん張りがきかず思わぬケガになります。ジョギングやウォーキングでは不十分で、スクワットで足腰を鍛えて下さい。
 
⑤登山計画書が命を救う
遭難したときのために登山計画書を作成し、登山口の投函箱に入れておく。そうすると救助隊が捜索ポイントを的確に把握できます。
どうか楽しい登山を心がけて下さい。

P1000660

P1000656


— posted by 越智邦明 at 11:17 am  

2009/7/28

げた(暑気払い)


当院の恒例の暑気払いが25日(土)に行われた。
総勢27名であった。みんな浴衣で参加という異色な宴会だが、年に1回、私はこの日「げた」を履けるのを楽しみにしている。先週22日は「げたの日」だったが、みなさん、げたをはいていますか?
34年前にかまやつひろし「我が良き友よ」がヒットしたが例の「下駄をならして奴が来る~。」のフレーズは覚えている中年諸氏も多いと思う。

下駄

足の親指と人指指の股には行間(こうかん)というツボがあり刺激されると気持ちが落ち着く。リフレクソロジーでも足の親指は目・首・肩の血流と関係があると考えられている。下駄は鼻緒が刺激の役目となる。下駄のサイズはかかとが台から1~1.5cmほど出るものが良い。そうしないと浴衣の裾を踏んづけてしまいます。それと歯の減りのバランスを取るためにたまに左右を入れ替えて履く。そのために鼻緒は真ん中に付いているのです。
さて、下駄は1本の木からくりぬいて台と歯が一体となっているほうが高級です。会津の桐、それも北斜面に植えられたものがいいのは寒いところでゆっくり育ったほうが強い木になるからです。音も違います。みなさん、たまには下駄をならして歩いてみて下さい。すっかりバンカラ気分になります。足の指で大地をつかむ感覚が心地いいし、背筋もしゃんとしますよ。
さて、肝心の暑気払いは楽しい2時間半もあっという間に過ぎ、今年の「ゆかた賞」は木村ナースが獲得して無事終了となった。

IMG0926


— posted by 越智邦明 at 05:23 pm  

2009/7/27

糖尿病の食事


春の健診で糖尿病を指摘されたという人が数多く来院する。今や国民病と化した糖尿病。
よく病名に“糖”がついているので砂糖を減らせば良いと勘違いしている人が多いです。
正確には糖質の集合体である炭水化物の管理が重要です。日本食の白米は体に吸収されやすく、血管値が上昇しやすい。それではと研究しているとイタリア料理のパスタが吸収が滑らかで血糖値が上がりにくい。
糖尿病の人にとってイタリア料理はとても効果的な食事であることが分ってきました。さらにパスタは硬めにゆでる方がより血糖値の上昇が緩やかになります。
朝食にみそ汁を飲む人が多いが、ここもイタリア料理としてミネストローネに替える。ミネストローネに含まれる緑黄色野菜は抗酸化力に富む成分が豊富で、動脈硬化予防に最適。みそ汁よりも多くの野菜が取れ、炭水化物を減らすことができるので一石二鳥です。
ここはひとつ食事を地中海風アレンジにしてみませんか?

IMG0076


— posted by 越智邦明 at 10:58 am  

2009/7/24

ホウレンソウ


ポパイではないが、ホウレンソウはそんなに元気になるのか?
ホウレンソウのことを中国では菠蔆草(はりょうそう)と呼びますが、菠蔆とはペルシャ(イラン)のことで、ここがホウレンソウの原産地。ここからネパールの僧が唐の太宗の時代に中国に伝え日本へは江戸時代初期に入ってきた。
ホウレンソウは造血作用を持つ鉄分を多量に含んでおり、造血ビタミンのB12や葉酸も含有しているため、昔から貧血の補血強壮野菜として有名である。また免疫力を高めるカロテン、ビタミンC、ビタミンB1も多量に含んでいます。
唾液や胃液の分泌を促進する成分も見い出されていて消化器の機能を高める働きがあり、その他神経の興奮やのぼせを鎮め便秘の改善を助けアルコール中毒の予防にもよい食物です。
ホウレンソウの中にはシュウ酸が含まれ多食すると尿路結石が出来ると泌尿器科の本に書いてありますが、日常の量では全く問題ありません。
ぜひ皆さんポパイになって下さい。

IMG0050

IMG0053


— posted by 越智邦明 at 12:45 pm  

2009/7/21

トマト


トマトは小さい頃、畑でよくかじって食べた。
もちろん今でもトマトジュース、ケチャップ、トマトソース等、多岐に使われている。
トマトはビタミン、ミネラルの補給や筋肉疲労を改善するほか胃腸の消化吸収機能を促進し、胃腸虚弱を治す働きもする。そのため欧州では「トマトが赤くなると医者が青くなる」とどこかで聞いたような ことわざがある。
トマトの原産地はペルー、エクアドルなどの南米。熱帯では多年生、温帯では一年生となるナス科の植物で16世紀に欧州へ伝わった。日本に伝わったのは江戸中期。明治6年から食用として栽培が始められた。この特有の色はカロテンの赤黄色とリコペン色素の紅色との組み合わせによるものです。
また心地よい酸味はクエン酸やりんご酸などの有機物がもたらし、筋肉内の疲労素の乳酸を除いて疲労回復に役立ちます。
どうかトマトを色々な料理に使ってみて下さい。

トマト



— posted by 越智邦明 at 05:20 pm  

2009/7/20

モバイルアクセス


携帯電話でも院長コラムが読めるようになりました。
 
コチラLink をクリックして携帯電話のメールアドレスを入力してください。入力されたメールアドレスに携帯で院長コラムを御覧になるためのアドレスが送信されます。入力されたメールアドレス情報などは保存されませんのでご安心ください。
 
同じく、以下のQRコードを読み取ることでも御覧になれます。

QRCode


コラムを読むだけの単純なページですが、いつでも何処でも院長コラムを読むことができます。是非ご活用ください。

— posted by 越智クリニック at 12:00 am  

2009/7/17

胡瓜(キュウリ)


お寿司屋で「カッパ一丁」と聞きますね。何故、キュウリのことをカッパと呼ぶのでしょう。
江戸時代の人はカッパは色々な悪さやいたずらをすると信じていました。そのいたずらを逃れる方法として両国の川開きの前後に堀川にカッパの好物のキュウリを投じてカッパ供養を行ったのです。そこからカッパ=キュウリとなったのです。
病院の屋上も毎年、キュウリを作っています。育てやすく、日に日にぐんぐん成長していくのが楽しみです。キュウリは3000年前から作られており、シルクロードを通って中国、更に朝鮮を経て奈良時代に日本に伝わりました。
キュウリはキュウリサポニンやカリウムを含み夏の暑さでの体のほてりを除くとともに、利尿剤として心臓病や腎臓病のむくみも取ってくれます。またキュウリの汁は消炎作用を持ち、あせもややけどの治療にも使われていました。
江戸時代の上層の武士はキュウリを口にしなかったと言われています。それはキュウリの切り口が徳川家の葵の御紋に似ており、敬意を表して自粛したとか。
今度是非見て下さい。

IMG0021


— posted by 越智邦明 at 03:57 pm  

2009/7/15

往診(その3)


往診しているTさん(78才、女性)。とてももの静かな方で、素敵なお家の一室に居を構えている。2カ月前に心臓の聴診をしていたら、視界の左端に何やら動く物体が目に入った。それは彼女の愛する飼い猫(呼称 チビ)(4才、メス)であった。甥っ子と同居とは言え、彼女の唯一の友達はこの猫である。人類は有史以来、猫か犬と同居してきた。癒しのペットとして人間にとっては最適なのだと思う。
さて、2週間前に往診した時にそれはそれは驚いた。この猫、チビが出産したのだ。
生命の誕生は人間ならずとも、感動を覚える。7匹の仔猫のうちキジ猫6匹、クロネコ1匹で、みんなが肌を寄せあってジャレている光景は何ともほほえましい。ずっと遊んでいたかったが、後ろ髪を引かれる想いで次の往診先に向かったのである。
遊びのワンショットを御覧下さい。

R0013567


P1000595


— posted by 越智邦明 at 07:00 pm  

2009/7/13

茄子(ナス)


夢、特に正月初夢に見ると縁起がよいものを並べた文句で「一富士、二鷹、三ナスビ」というのがあります。富士山、鷹狩り、駿河茄子が徳川家康の大好物であったそうです。当時の駿河(静岡)産の初ナスビは将軍家へ献上するしきたりになっていて、とびきり高価であったそうです。
今日はこの「ナス」についてにお話です。
「秋ナスは嫁に食わすな」の意味はナスは体を冷やす作用があるので涼しくなる秋以降に食べると婦人の腹部を冷やし流産の恐れがあることから嫁の体を心配しての諺というのが真実です。
ナスはインドが原産地で奈良時代に日本に入ってきました。水分が94%もあり低カロリーの太らない食物です。のぼせをとり血圧を下げる食効があり、昔から高血圧の人の食物とされています。これはルチン、ヘスペリジンといった細い血管を強化し破れを防いでくれる成分が多く含まれているからで、消化の良いこととあいまって高齢者には最適の食材です。ヘタの部分を茄蒂(かてい)と呼んで黒焼きにし、口中に塗って舌や口内の荒れやただれを治すのにも使ったそうです。
私は漬物のナスが一番好きです。ナスはキュウリと違って嫌いな人は少ないようですが。

P1000506


— posted by 越智邦明 at 05:47 pm  

2009/7/9

モンスター・ペイシャント(Monster Patient)


ウィキペディアによると「医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求・暴言もしくは暴力を繰り返す患者のこと」とある。
わが病院にも増えてきた。いくつかの例をあげてみる。
(その1)嘔吐下痢の中年男性。2日目の再診日のこと。「いかがですか?」「嘔吐も下痢も止まりました。あとは熱だけです。」「何度ありますか?」「わかりません」「どうして測らないんですか?」「体温計がないのにどうやって測るんぞ~。買う金がないんじゃ~」と大声で突然モンスターに。とにかく恐怖です。
(その2)咳が続くという中年男性。診察の結果、「気管支炎」で内服薬を勧めた。ところが突然「結核ならどうするんじゃ~。いいかげんな診察じゃのう」と大声に。やむなくレントゲン、血液検査を行い、異常のないことを説明したが、鬼のような顔。とにかく恐かった。
(その3)他院の院長先生から聞いた話。中年男性患者さんに病気の説明をしていたら「お前の説明は気にくわん」と言ってDr.の顔にパンチ。すぐにパトカーが来て逮捕。そのDr.は「病院はホテルではない」と吐き捨てるように私に話してくれました。
以上はほんの1部ですが、私が開業した20年前は患者さんにも、もっとモラルがあったと思います。
今やややもすると「お金を払っているのだから治って当たり前。治らなかったら病院が悪い。いざとなったら訴えれば必ず勝つ」といった風潮が日本全国にあふれています。「感謝」の気持ちー忘れないようにしたいものです。

P1000608


— posted by 越智邦明 at 01:07 pm  

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.