皆様、「高血圧」を甘く見てはいけません。循環器疾患の8割は血圧によって説明できるからです。
今日は高血圧の最近のトピックスについてお話します。それは、家では血圧が正常だが病院では高血圧となる「白衣高血圧」とその逆で、病院では正常だが家で高血圧となる「仮面高血圧」です。白衣高血圧は単なる「緊張のせい」と甘く見がちでしたが、最近の研究ではその多くが持続高血圧に移行することが分かっています。次に仮面高血圧の中でも問題になっているのが夜間~早朝の高血圧です。ふつう睡眠に入ると血圧は下がってきますが、夜間や早朝に逆に高くなるタイプがあることが分かってきました。実際、脳卒中、脳梗塞の発生時間帯を調べると早朝から正午前に集中していますし、心筋梗塞も午後より午前に多く発生しています。夕方より早朝の血圧が15mmHg以上高い人は要注意です。
近年24時間作用が持続する長時間作用型の降圧剤が登場し、臨床の場に於いて大変役立っています。どうか家庭血圧計も使いながら血圧の管理を医師に相談して下さい。