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2010/4/20

クモ膜下出血


木村拓也巨人軍コーチの死因で有名になったこの病気。脳の硬膜と軟膜の間にあるくも膜の血管が破れる病態である。
3人に1人は即死、1人はまひを残し、1人は完治と言われている。原因の2割は脳動静脈奇形といって先天的なもの、8割は脳動脈瘤の破裂である。前兆は物が二重に見えたり、手足のしびれやまひ、目の奥の痛み、頭痛などがあげられている。私の大学の友人で三重県で開業しているI君の奥さんが検診で昨年、脳動脈瘤が見つかった。症状はないが、手術をすべきかどうかI君も悩んで色々な脳外科医と面談し文献も漁った。結論は「もし破裂してクモ膜下出血→即死となったら困る」というもので昨年、手術を受けた。術後は順調で、やって良かったと言う。
さて木村コーチはクモ膜下出血の背景因子であるヘビースモーカー、多量の飲酒が良くなかった。タバコで血管が収縮し、お酒で血行が活発化して動脈瘤が破れやすくなる。そこに単身赴任という大きなストレスも加わった。更に、今年いきなり「一軍」のコーチという重圧もあった。血圧の管理をきちんとしていたかどうかは、私には分からないが、高血圧がもし放置されていたとすると致命的である。今回は早目にCT、MRA等が行われていたら、と悔しい思いである。
木村さんはピッチャー以外の全部の守備をこなしたことで有名である。愛嬌のあるあの笑顔が見れないと思うと本当に残念である。惜しい人をなくしたものです。合掌。

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— posted by 越智邦明 at 09:27 am  

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